• 奥平智之

脳における「鉄の利用障害」を防げ



【脳における「鉄の利用障害」を防げ】 鉄はどのように中枢に供給されているのか?鉄は、脳内のアストロサイトにフェリチンとして貯蔵されいている(ニューロンにおける鉄欠乏の予防)。 血管内皮からはトランスフェリンに結合した鉄が運ばれてきます。DMT1などの輸送体を介してアストロサイトに運ばれます。 GPI(glycosyl-phosphatidyl-inositol) 結合型セルロプラスミン(GPI-Cp)・・・・ニューロンにおける鉄代謝の中心的役割を果たしています。

【主経路】GPI-Cpを維持している分子は、銅と亜鉛が必須。

→ 銅、亜鉛の不足 

→ 脳内のニューロンは鉄が利用できなくなる。

副経路はビタミンCとクエン酸が関与。鉄のブラザーイオンは「銅」。GPI-Cpを介したアストロサイトからの鉄の移送がきちんとできることが大切。

→ GPI結合型セルロプラスミン(GPI-Cp)機能を取り戻すことが大切です。

GPI-Cpの機能が落ちてアストロサイトの鉄の利用がうまくできないと、アストロサイトに鉄がたまってしまう(アストロサイトの鉄過剰)

脳内の鉄が利用できずに、アストロサイトに沈着してしまうと、活性酸素の産生を促し、脂質の過酸化を亢進させたり、ミトコンドリアの障害を引き起こして細胞障害をきたします(Miyajima H:Aceruloplasminemia, an iron metabolic disorder. Neuropathol 23:345-350, 2003)。

神経細胞にも鉄は沈着しますが、神経細胞は鉄の利用障害でアストロサイトから鉄をもらえない場合に、二次性の鉄欠乏による細胞障害を引き起こします。

脳内の鉄は、基底核、小脳歯状核、視床に沈着しやすいために、ジストニアなどの不随意運動、小脳性失調、認知機能障害などの神経症状を引き起こします。アルツハイマー病やパーキンソン病では神経細胞内に鉄が蓄積します。

脳における鉄の利用障害を防ぐには、少なくとも、亜鉛欠乏は解消しておいた方が良さそうだ。

宮嶋裕明:亜鉛栄養治療.2012 参照

日本栄養精神医学研究会 講義資料 奥平智之

0回の閲覧

© 2019 by Dr. Tomoyuki Okudaira

  • Facebook Clean Grey