エネルギーとなるATP産生であり、また、ストレスにおける活性酸素(老化)を打ち消す抗酸化物質と言えます。
①尿酸は、生体には欠かせない強力な『抗酸化剤』です。実は、ビタミンCのような抗酸化物質で、ビタミンCよりも抗酸化作用は強いのです。
私たちは、カラダでビタミンCをつくれませんが、尿酸はつくることができます。尿酸はカラダの酸化(老化)を防ぐ物質としてとても重要なものです。
例えば、アルツハイマー型認知症では、尿酸値が低い傾向にありますが、抗酸化作用によって、脳の神経を保護している可能性もあります。
活性酸素により、尿酸値は下がったり、代償的に上がったりする可能性があります。
酸化ストレスの方が強ければ、膜障害(溶血)の原因になります。
・・・他の血液の数値が上がる可能性も・・・
②尿酸は、プリン体から作られており、プリン体はエネルギー代謝のときに使われるATP(アデノシン3リン酸)の構成成分です。
核酸のDNAの中のアデニンとグアニンはプリン骨格を持つプリン体です。アデニンにリボースが結合してアデノシンになりこの誘導体がATPです。
ATP(細胞のエネルギー源)は、常に生成と分解がされており、その過程で常にプリン体が血中に出てきます。
そのプリン体が主に肝臓で分解された分解産物が尿酸です。
主に、尿中から排出されます。そのため、腎臓が悪くなると尿酸値が高くなります。
プリン体は体内で作られるものがほとんどです(7~8割) 。食事由来が2~3割のみ。
すべての細胞は、成長、増殖、生存のためにバランスの取れた量のプリンを必要とします。
プリン代謝に関与する酵素は、細胞内でそれらの合成と分解の間のバランスの取れた比率を維持しています。
低すぎは、栄養療法的には、エネルギーや抗酸化力の不足の可能性を考慮しますが、遺伝的に腎臓からの尿酸の排泄が亢進している体質の人も。
「腎性低尿酸血症」という遺伝性の疾患で、尿酸が2.0 mg/dl以下の場合に疑います。
日本人に比較的多く、日本人男性の0.2% (500人に1人)、女性の0.4% (250人に1人)と言われています。
症状がないことが多いですが、「運動後急性腎障害」や「尿路結石」といった合併症が問題になることがあります。強い無酸素運動の後に背部痛が起きることがあります。
もちろん、尿酸は、高値は、痛風に注意する必要があります。
血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。
余った尿酸はカラダのいろいろなところで結晶化し、関節で炎症を起こします(痛風)。
尿酸は血液中では活性酸素を除去する作用を持ちますが、血管壁内に取り込まれると活性酸素を産生し、動脈硬化が起こります。
尿酸は、抗酸化剤ですが、多ければ、酸化促進剤となります。
Kang, D. H .(2014). Uric acid puzzle: dual role as anti-oxidantand pro-oxidant. Electrolytes & Blood Pressure: E & BP, 12(1), 1.
●まとめ
尿酸の値は、4~7(mg/dL)程度で栄養指導をしています。低すぎは、エネルギー不足・抗酸化力不足も考慮。
血液栄養解析
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奥平智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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