栄養精神医学 連載
〜精神看護(医学書院)〜
第1回 2018/3/15
『貧血がなくても鉄不足でメンタル不調』
奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018.3
第2回 2018/5/15
『鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を! 』
奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018.5
第3回 2018/7/15
『妊娠・出産における鉄欠乏を見逃すな!』
奥平智之:栄養精神医学(3)妊娠・出産における鉄欠乏を見逃すな!.精神看護(21)4:401-407,2018.7
第4回 2018/9/15
『妊娠・出産における鉄欠乏を見逃すな!』
奥平智之:栄養精神医学(4)鉄欠乏の子ども(テケコ)を救え!.精神看護(21)5:511-515,2018.9
第5回 2018/11/15
『栄養型うつ』
奥平智之:栄養精神医学(5)栄養型うつ.精神看護(22)5:620-626,2018.11
November 14, 2018
栄養精神医学・連載5
<特別インタビュー編>
栄養型うつ〜食事がメンタルヘルスに関係していることに気づいてほしい〜
《文献概要》
「栄養型うつ」とは
—「栄養型うつ」という言葉を初めて聞きました。
これは「栄養の問題が原因のうつ状態」があることを1人でも多くの方に知ってほしいという意図で、私が作った言葉なんです(図1)。精神医学上の病名ではなく、あくまでも状態を示すものです。臨床の現場で使えば、栄養とうつが密接にかかわっているということが伝わりやすいと思うのですが、いかがですか?
この言葉を使って、私は予防と治療の観点で、栄養面がとても大切だということを広めていきたいと思っているんです。
精神看護 21巻6号 (2018年11月)
pp.620-626
発行日 2018年11月15日
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200558
奥平智之:栄養精神医学(5)栄養型うつ.精神看護(22)5:620-626,2018.11
September 14, 2018
栄養精神医学・連載4
鉄欠乏の子ども(テケコ)を救え!
《文献概要》
今回は、鉄欠乏が子どもの精神症状に与える影響について見ていきたいと思います。
貧血にまで至っていなくても鉄欠乏状態であるために精神症状がみられることがあります。これから妊娠、出産予定の方やすでにお子さんをお持ちの方には、特に、鉄欠乏の影響を理解していただきたいです。
精神看護 21巻5号 (2018年9月)
pp.511-515
発行日 2018年9月15日
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200536
奥平智之:栄養精神医学(4)鉄欠乏の子ども(テケコ)を救え!.精神看護(21)5:511-515,2018.9
July 14, 2018
栄養精神医学・連載3
『妊娠・出産における鉄欠乏を見逃すな!』
《文献概要》
「鉄」は妊娠・出産に重要なミネラル
鉄はメンタルヘルスにおいて大切なミネラルであるが、妊娠・出産においては特に重要である。妊娠すると鉄の必要量が増えるため、鉄欠乏は妊娠中や産後のうつ状態などの精神的な不調の一因となる。次号で詳しく述べるが、胎児の成長や中枢神経系の発達には鉄が必須であり、鉄欠乏状態での妊娠・出産は、早産や低出生体重、発達障害、統合失調症圏の発症などのリスク要因となる可能性がある*1。母親の心身を守るためだけではなく、産まれてくる子どもを守るためにも、鉄の理解は深めておきたい。
世界保健機関によると、鉄欠乏症は世界で最も多い栄養障害であり世界人口の約8割が鉄欠乏症、約3割が鉄欠乏性貧血である*2。鉄の必要量が多く鉄欠乏性貧血を発症するリスクが高いのは、有経女性、妊婦、早産児・低出生体重児、生後6か月以上の乳児・幼児である*3。
精神看護 21巻4号 (2018年7月)
pp.401-407
発行日 2018年7月15日
May 14, 2018
栄養精神医学・連載2
貧血がなくても鉄不足でメンタル不調
《文献概要》
栄養精神医学におけるレジリエンス
精神医学とは、各種精神疾患に関する診断、予防、治療、研究を行う医学であるが、「栄養精神医学」は、精神症状・身体症状・向精神薬に対する食事・栄養・腸管による影響を考える精神医学の一分野である。
食事や栄養の影響で精神症状がより重症化していたり、腸管の状態が経口薬の血中濃度に影響を与えていたり、腸内環境の悪化が精神症状に影響していたりすることがある。精神疾患の患者の症状に対して、身体的な要因である栄養学的な影響を考慮する必要があるが、実際の精神科臨床ではあまり考慮されていない。その結果、症状が遷延または難治化していたり、ベンゾジアゼピン系をはじめとした向精神薬の多剤の一因にもなっていたりする可能性がある。そのため、必要な検査をきちんと行い、栄養学的な要因を考慮することで治療効果が高められると考えられる。食事や栄養面での改善を行っても、腸管の状態が悪かったり、食欲がなかったりすると、栄養学的な治療はうまくいかない。そのような場合は、腸管や食欲の回復につながる薬膳や漢方生薬の活用も積極的に考慮されるとよい。
精神看護 21巻3号 (2018年5月)
pp.264-271
発行日 2018年5月15日
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200481
奥平智之:栄養精神医学(2)鉄欠乏改善でレジリエンスの向上を!.精神看護(21)3:264-271,2018.5
March 14, 2018
栄養精神医学・連載1
鉄欠乏の子ども(テケコ)を救え!
《文献概要》
この連載が目指すこと
私が栄養や食事に関心を持ったのは、父が鍼灸師で幼い頃から東洋医学に触れ、体質改善の視点を大切にしていたからである。大学の精神科に入局した後も、東洋医学科の外来を長年担当してきた。そして東洋医学的な食養生だけでは不十分と感じ、現代医学的な栄養学も積極的に学ぶようになった。実際に精神科臨床において、食事や栄養の大切さを実感するようになり、もっと多くの医療従事者に関心を持ってもらいたいと思うようになり、今回、このような連載の機会をいただいた。本誌の連載を通じて、1人でも多くの方に、食事・栄養・腸管の分野に興味関心を持っていただければ幸いである。
精神看護 21巻2号 (2018年3月)
pp.158-164
発行日 2018年3月15日
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200454
奥平智之:栄養精神医学(1)貧血がなくても鉄不足でメンタル不調.精神看護(21)2:158-164,2018.3
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Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.
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