

河野吉成先生◎埼玉若手漢方医会(第52回)◎
April 10, 2019
『アトピー性皮膚炎と漢方』
河野吉成先生
つくし診療所 院長
【どうする?アトピー性皮膚炎の漢方治療】
●血虚(血が足りない)の基本漢方:四物湯(しもつとう:当帰・芍薬・川きゅう・地黄)を基本とした漢方薬
1.温清飲(うんせいいん)
2.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
3.加味逍遙散(かみしょうようさん)
4.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
5.当帰飲子(とうきいんし)
6.芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
7.芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
8.消風散(しょうふうさん)
●温清飲(うんせいいん)(=「四物湯」血を補う+「黄連解毒湯」抗炎症)
★血流が悪い人:
①温清飲 + 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)・・・症状が慢性化して色素沈着が目立ち、苔癬化が見られるもの
②温清飲 + 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)・・・・湿疹にニキビが混在する場合
★痒疹が見られるもの、 化膿を繰り返すもの:
温清飲 + 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
・難治に経過する成人型アトピーでは四肢に結節性痒疹が多発するケースがある。この場合は十味敗毒湯を合わせると効果的。
・慢性に続く湿疹は感染症を起こし易く、度々とびひなどの皮膚感染症を生じるものには、十味敗毒湯を合わせる。

菊池則公先生◎埼玉若手漢方医会(第52回)◎
April 10, 2019
『東洋医学的な望診のワザ』
【5つ。あなたはどのタイプ??】
①木(肝臓)タイプ:新しい物を好む。
⇒新商品のお知らせ・限定品を伝える。
⇒ “データ”や“権威性”など、読むのに時間がかかるものは、原則見ない【勘がよく、直感で行動する】
人に任せるのが苦手で、自分でやらないと気が済まない。
行動の遅い人が嫌い。
・・・デコ・眉間のシワ、筋肉質
②火(心臓)タイプ:バランスの取れているものを好む。
芯が強く自我を曲げない。
⇒一番良いもの・合うものを教える。【完璧主義】
⇒第三者に伝えられるような表現で話すと頭に入りやすい。
・・・中肉中背
③土(脾)タイプ:一番売れている物を選ぶ。
⇒売り上げランキング第◯位!のポップなど効果的。
協調性を重んじるので、人と同じものを選びたがる。
⇒“お客様の声”に響く。
【甘いもの好きで優柔不断】
・・・頬周りが丸い。美男美女、中庸の人が多い

伊藤欽朗先生◎日本栄養精神医学研究会(第22回)◎
March 15, 2019
『栄養と腸からみた精神症状〜腸脳皮膚相関〜』
伊藤内科医院 院長
【隠れビタミンD欠乏多し!】
ビタミンD欠乏の評価は、『25(OH)ビタミンD』で行います。実際に測ってみると、低い人ばかり。
潜在的なビタミンD欠乏の人は多い。
紫外線によりできたビタミンDも、食べ物からできたビタミンDも、ともに肝臓に運ばれて、代謝されて『25(OH)ビタミンD』になります。
これは、『ビタミンDの総量』を反映しています。
子どもでは、くる病、成人では、骨軟化症で低下します。肝硬変など肝機能が落ちても低下してしまいます。
※ちなみに、これが腎臓で代謝されると、1,25(OH)2ビタミンD《活性型ビタミンDとも言います》になります。こちらは、『カルシウム代謝異常』の指標。
腸からのカルシウムの吸収を高め、骨への沈着を促します。
#ビタミンD そのものは、脂肪組織に入り込んだり、代謝で使われてしまったりするので、血中濃度が安定しないため、半減期が長い代謝産物を測定します。

長瀬眞彦先生◎埼玉小江戸漢方カンファレンス2019春(2019年3月)◎
March 13, 2019
『気血水の概念だけでこれだけの応用が効く東洋医学的診療』
順天堂大学医学部 医学教育研究室
【気血水(き・けつ・すい)の理解】
まずは、気・血・水が、足りないか?余っているか?
①《気虚》エネルギー不足となるので元気がなくなり疲れやすくなる。肉体的労作によって悪化。慢性疲労症候群。
冷えて下痢したら人参湯
1. 脾気虚:補中益気湯、六君子湯
2. 肺気虚:黄耆建中湯
3. 心気虚:人参養栄湯
②《気滞》イライラしたり、落ち込みやすくなったり、ストレスに弱くなる。精神的労作によって悪化。うつ病。例:高速道路で渋滞してイライラ、落ち込
柴胡剤:精神安定作用、抗炎症作用など
1. 肝気うっ血:柴胡剤
2. 肝気上逆:柴朴湯
3. 胃気上逆:半夏厚朴湯
4. 気滞:香蘇散
③《血虚》足がつる、肩こり、ぎっくり腰、皮膚の乾燥などの「血」の潤滑作用による症状や、過眠や不眠などの精神安定作用の失調による症状がみられる。突発的に起こる症状。突発的に掻痒を繰り返す乾燥の強いアトピー性皮膚炎、月経前緊張症
※動脈血の問題が多い
1. 肝血虚:四物湯
2. 血虚+水毒;当帰芍薬散
3. 筋の血虚:芍薬甘草湯
4. 皮膚の血虚:当帰飲子

前田修司先生◎埼玉小江戸漢方カンファレンス2019春(2019年3月)◎
March 13, 2019
『加味逍遥散を核とした不定愁訴の治療戦略と使い分けのコツ』
前田修司先生
医療法人健真会めぐみクリニック 診療部長
【加味逍遙散を核とした不定愁訴の治療戦略と使い分け】前田修司先生講義
●血液型と漢方のタイプ
O型:利己的、自発的、理性的、意志が強い
A型:他人につくす、控え目、多感、温厚
B型:陽気、活動的、出しゃばり、根気がない
AB型:外面的にはB型に類似、内面的にはA型に類似
・当帰芍薬散:A型・O型で約8割を占める
・加味逍遙散:B型・AB型で約7割を占める
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)タイプ
【顔色】青白い、艶がない
【雰囲気・表情】おとなしい、女らしい、なれなれしくない、美しい人(派手ではない)、いろいろと悩みのあるような疲れきったような表情、うつ様、表情が硬い、神経質
【姿勢(視線)】堂々とはしていない(前かがみ)
【歩き方】歩幅が狭い、足音が低い
【服装】ほとんどが厚着である
【声・話し方】声が小さい、訴えは多いがまくしたてるような話し方はしない
【訴え】肩こり、めまい、頭重感、冷え、下肢のむくみ等を訴える場合が多い
【皮膚】浮腫状で「皮下に水気を帯びたような状態」
※当帰芍薬散タイプの患者さんの大半は一般的に美人といわれる風貌であり、湯本求眞先生のお言葉から「当芍美人」(とうしゃくびじん)という言葉が生まれた。
鈴木朋子:漢方と臨床 第42巻1号、P83-88、1995

大西秀樹先生◎日本栄養精神医学研究会(第21回)◎
January 16, 2019
『せん妄と栄養、特にビタミンB1欠乏症について』
大西秀樹先生
【現代型の脚気は多い!ビタミンB1欠乏】
🍀B1不足でぼんやりしている人、集中力落ちている人いませんか?
●ウエルニッケ脳症とは?
①B1の欠乏で生じ、B1の補充で治療
②早期診断、治療で後遺症は残さないこと!
③見逃しが多い (Isenberg-Grzeda et al., 2012)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23157990
④放置すると重篤な合併症を残す
⇒#コルサコフ症候群:記憶障害、作話
⑤死亡率17% (Victor,M.,Adams,R.D.,Collins,G.H. The Wernicke-Korsakoff syndrome. Davis, Philaderphia,1971)
⇒「ビタメジン1A+生食20ml」を3分で点滴落とす
・・・B1の血中濃度の検査結果は5日しないと出ないので、疑った時点で投与する
●なぜ、ビタミンB1欠乏で #せん妄 (=急性脳不全)がおこるの?
不足すると…
・エネルギー産生が低下
・エネルギーを大量に消費して脳にダメージ
●なぜ、ビタミンB1が問題になるの?
・ビタミンB1体内蓄積期間が短い⇒18日 (MacLean et al., 1983)
・精神科でも食欲不振患者は多いが、化学療法(5-FU)による吸収不良 (Basu et al., 1979; Aksoy et al., 1980)、慢性的食欲不振により問題となる

馬場元先生◎日本栄養精神医学研究会(第21回)◎
January 16, 2019
『老年期うつ病と認知症における栄養』
田亮介先生
順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院
メンタルクリニック 教授
【うつ病と認知症の関連】
●ポイント1:うつ病は認知症の危険因子(Diniz BS. et al. Br J Psychiatry. 2013)
・・ただし、修正可能な危険因子・・うつ病の予防は認知症の予防につながる
●ポイント2:うつ病ではアミロイドβの異常が起きている
・・Aβ40/Aβ42比は高齢群のみならず、若年群でもうつ病群で有意に高かった。うつ病への罹患がAβの代謝に影響を与えている可能性がある。(Baba H, et al. J Clin Psychiatry. 2012)
・・高齢者うつ病では血漿のAβ40/42比が有意に高い(K.K.F. Nascimento et al. J Psychiatr Res. 2015)
●ポイント3:うつ病の予防はアルツハイマー病の予防につながる
・・うつのエピソードを繰り返すと認知症発症のリスクが高くなり、1回のエピソード毎に14%リスクが増える。(Dotson et al. Neurology. 2010)
【老年期うつ病・認知症と食欲】
●ポイント4:高齢者のうつ病では食欲低下をきたしやすい
・・高齢者うつ病患者ではより若い患者と比較して、心気症・一般身体症状・焦燥・消化器系身体症状(食欲低下)のスコアが高く、自責感・生殖器症状(性欲減退)のスコアが低い。(Hageman JM. Br J Psychiatry. 2012)

田亮介先生◎日本栄養精神医学研究会(第20回)◎
December 12, 2018
『アルコールと栄養』
田亮介先生
医療法人財団青溪会 駒木野病院 副院長
アルコール総合医療センター センター長
【アルコールと栄養】
● アルコールは「酒は百薬の長」か?
・約2000年前の中国(新の時代)にて、酒と塩と鉄に対して、政府が専売特許を敷いた際に、帝王王莽(おうもう)が用いた「税金を多く集めるためのフレーズ」・・・・『漢書』の食貨志に記録が残っている。
⇒日本語で書かれた最古の文献では、『徒然草』の第175段に登場するが、
実は、「酒は百薬の長とはいうけれど、多くの病が酒より生じている」とも記載されている。
● 60以上の病気や外傷がアルコールによって引き起こされる(WHO)
⇒飲酒による死者:年間330万人・・病死の場合、二大要因は糖尿病と心臓疾患
・WHOではアルコールの消費量を2030年までに10%減らすという目標を定め、各国に実現を推奨している(WHO、2014)
● 飲酒量のJカーブ・・少量飲酒で影響がないわけではない、全体の総死亡率としてJカーブになっているだけ
・少量飲酒であっても、リスクが上がる
→高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がん(40歳以上)など
・肝硬変の場合は、指数関数的な傾向
→ある水準を超えると一気にリスクが増加
・少量飲酒によって罹患率が下がる傾向もある
→虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病など

朴宗秀先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年12月)◎
December 01, 2018
『栄養学的治療と腸管』
【腸管と歯科】朴宗秀先生 講義
●メタボリック・ドミノは出来るだけ上流で止める
・・医学の上流に、むし歯、歯周病などの歯学が位置する
●口内炎
粘膜が脆弱化している可能性➡アミノ酸、ビタミンB群、鉄、亜鉛等の不足の可能性
●フレイルとサルコペニアは口腔内疾患の原因にもなる?
➡『指輪っかテスト』でチェック・・両手の親指と人差し指で輪っかをつくり、ふくらはぎの最も太い部分を囲むだけ➡隙間ができたら注意‼
●歯ぎしり・食いしばり
THC(上下歯列摂食癖)の人は、ほぼ1日中歯を接触・・歯周病の重症度と関係
★歯周病が治りにくい人は、歯ぎしり、食いしばりが強い
・ 鉄タンパク不足→硬い物を咬みたくなる
・ 夜間低血糖→アドレナリン分泌
・ 睡眠時無呼吸症→アドレナリン分泌
・ 有害重金属(水銀、鉛等)
・ マグネシウム不足(副腎疲労でカフェイン過剰摂取の人は注意)→こむらかえり
・ 心理ストレス
➡歯ぎしり・食いしばりのための「咬筋ボツリヌス治療」
●知覚過敏
・ナイアシン療法
・点滴療法・・高濃度ビタミンC点滴、マイヤーズカクテル点滴、グルタチオン点滴
●『すべての病気は腸から始まる』・・医学の父、ヒポクラテス

長尾成晃先生◎食事栄養療法倶楽部2018年12月)◎
December 01, 2018
『心身のキレイを目指す食養生』
〇女性のキレイを期待するなら、寝る前に食べない。
寝ている間に、成長ホルモン(お肌など体の修復、代謝促進、筋肉↑脂肪↓)が低血糖を回避しているので、血糖高いと成長ホルモンの分泌が低下してしまいます
〇白米に、「酢」を少し混ぜてみよう! 血糖上昇は緩和して、腹持ちも良くなります。
〇酢の物には、砂糖多いので、注意してね。
〇お菓子、どうしても食べたければ、「5分以内に!」・・・5分でポテトチップス全部食べても美味しくないかもね・・・・・(笑)
〇ストレス太りのメカニズム
1. ストレスによってコルチゾールや交感神経の活動が亢進することで血糖値や遊離脂肪酸の値が上昇
2. 交感神経の亢進⇒『食欲抑制ホルモン(レプチン):脂肪細胞から分泌され満腹中枢を刺激する』が低下して、食欲が増す
3. 『強いストレス』が掛かると、末梢の脂肪組織に対して交感神経やコルチゾールの働きで食欲が落ちる。しかし、『弱いストレス』だとかえって食欲がしてしまう。⇒ストレスで太ることが出来るようなら“安心ストレス”なのです
★「ストレスで食べて太ってしまいました!」⇒「よかったですね」
4.コルチゾールの大量分泌・・・・海馬の萎縮、うつ状態

平川亘先生◎日本認知症ネットワーク2018秋
November 28, 2018
『認知症治療スキルアップ講座』
【認知症を予防する工夫】
●認知症予防の5つの柱
1. 食事・・MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay diet):地中海式食事法+DASH(高血圧改善のための食事法)=マインド食
お勧め:①緑黄色野菜、②根菜類、③ナッツ類、④豆類、⑤ベリー、⑥魚、⑦全粒穀物、⑧オリーブオイル、⑨鶏肉、⑩ワイン、緑茶
避ける:①マーガリン、②お菓子、③ファストフード、④チーズ など
2. 運動・・1日30分の運動を週3回以上
余裕があれば、コグニサイズ=頭を使う+体を使う:を同時に行う・・・デュアルタスク
3. 交流・・会話で脳血流増加、ストレス解消、信頼関係の構築ができる
人のとの交流が週1と毎日では認知症になるリスク8倍かわる
4. 趣味・・仕事以外の習慣が重要
お勧めは、頭や手足を使う、一人でも多人数でも出来る、負担が少ない、変化、成長が望める、自己肯定感が上がる趣味
例:写真撮影(外出もする)、ウォーキング、カラオケ、将棋囲碁、楽器演奏、ものづくり
5. 睡眠・・寝すぎも不足もよくない・・基本7時間くらい

紫藤祐介先生◎日本認知症ネットワーク2018秋
November 28, 2018
『認知症を予防する工夫』
東邦大学医療センター大森病院
ロコモ認知症予防療法協会 理事長
【認知症を予防する工夫】
●認知症予防の5つの柱
1. 食事・・MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay diet):地中海式食事法+DASH(高血圧改善のための食事法)=マインド食
お勧め:①緑黄色野菜、②根菜類、③ナッツ類、④豆類、⑤ベリー、⑥魚、⑦全粒穀物、⑧オリーブオイル、⑨鶏肉、⑩ワイン、緑茶
避ける:①マーガリン、②お菓子、③ファストフード、④チーズ など
2. 運動・・1日30分の運動を週3回以上
余裕があれば、コグニサイズ=頭を使う+体を使う:を同時に行う・・・デュアルタスク
3. 交流・・会話で脳血流増加、ストレス解消、信頼関係の構築ができる
人のとの交流が週1と毎日では認知症になるリスク8倍かわる
4. 趣味・・仕事以外の習慣が重要
お勧めは、頭や手足を使う、一人でも多人数でも出来る、負担が少ない、変化、成長が望める、自己肯定感が上がる趣味
例:写真撮影(外出もする)、ウォーキング、カラオケ、将棋囲碁、楽器演奏、ものづくり
5. 睡眠・・寝すぎも不足もよくない・・基本7時間くらい

加藤晃司先生◎日本栄養精神医学研究会(第19回)◎
November 16, 2018
『児童精神科領域における栄養精神医学への期待』
加藤晃司先生
医療法人永朋会 理事長
【ADHDと栄養】加藤晃司先生講義
①有病率は低年齢で高く、学童期で3%から9%
②男性が多いが、成人では性差が少ない
③児童期にAD/HDと診断された症例で成人になって症状を持つ患者の割合は、多動・衝動性:50% 不注意:90%
1)America Psychiatric Association 編: Diagnostic and Statistical Manual of Metal Disorders 4th edition text revision
2)上林靖子, 他: 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の医療の実態に関する調査, 注意欠陥/多動性障害の診断・治療ガイドライン作成と
その実証的研究 平成11~13年度研究報告書, pp131-148
3)Szatmari P., et al.:J. Child Psychol. Psychiatry 30: 205, 1989
4)Barkley R. A.: Attention Deficit Hyperactivity Disorder. A Handbook for Diagnosis and Treatment, 2nd ed., The Guilford Press. NY. 1998
5)Barkley R. A., et al.:J Am Acad Child Adolesc Psychiatry 29:546-557, 1990
6)Weiss G., Hechtman L.: Hyperactivity children grown up, 2nd ed. The Guilford Press. NY. 1993
● 診断:まずはDSM-Ⅴから・・大事なのは
①7歳以前(Vでは12歳)に存在:連続性があることを確認できるか
②2つ以上の状況:大人なら家庭と職場か、縦軸,横軸そろえて診断していく
(過剰診断をふせぐ)

永田孝行先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年11月)◎
November 13, 2018
『現代の食事事情と食事法の選択』
〇女性のキレイを期待するなら、寝る前に食べない。
寝ている間に、成長ホルモン(お肌など体の修復、代謝促進、筋肉↑脂肪↓)が低血糖を回避しているので、血糖高いと成長ホルモンの分泌が低下してしまいます
〇白米に、「酢」を少し混ぜてみよう! 血糖上昇は緩和して、腹持ちも良くなります。
〇酢の物には、砂糖多いので、注意してね。
〇お菓子、どうしても食べたければ、「5分以内に!」・・・5分でポテトチップス全部食べても美味しくないかもね・・・・・(笑)
〇ストレス太りのメカニズム
1. ストレスによってコルチゾールや交感神経の活動が亢進することで血糖値や遊離脂肪酸の値が上昇
2. 交感神経の亢進⇒『食欲抑制ホルモン(レプチン):脂肪細胞から分泌され満腹中枢を刺激する』が低下して、食欲が増す
3. 『強いストレス』が掛かると、末梢の脂肪組織に対して交感神経やコルチゾールの働きで食欲が落ちる。しかし、『弱いストレス』だとかえって食欲がしてしまう。⇒ストレスで太ることが出来るようなら“安心ストレス”なのです
★「ストレスで食べて太ってしまいました!」⇒「よかったですね」
4.コルチゾールの大量分泌・・・・海馬の萎縮、うつ状態

大野修嗣 先生◎埼玉若手漢方医会(第51回)
November 07, 2018
『フレイルと漢方』
大野修嗣先生
日本東洋医学会 副会長
フレイルとは?・・・加齢に伴う機能変化や予備機能低下によって精神的・肉体的な脆弱性が増加した状態
●#フレイル の評価(J-CHS基準)・・食欲不振、疲れ、気力の低下・・補材の適応
① 体重減少・・6ヶ月で,2~3Kg以上の体重減少
② 筋力低下・・握力:男性<26Kg 女性<18Kg
③ 疲労感・・(ここ2週間)訳もなく疲れたような感じがする
④ 歩行速度・・通常歩行速度<1.0m/sec
⑤ 身体活動 ①軽い運動・体操 ②定期的な運動・スポーツ、のいずれも「週の1回もしていない」
●補剤(ほざい)とは?
消化器の機能低下、精神機能低下、筋力の低下、内分泌・泌尿器系の機能低下を補う漢方
●補剤
〔人参剤〕 啓脾湯 人参湯 四君子湯 六君子湯
〔参耆剤〕 補中益気湯 十全大補湯 人参養栄湯 大防風湯 半夏白朮天麻湯 清心蓮子飲 清暑益気湯
〔補腎剤〕 六味丸 八味地黄丸 牛車腎気丸
〔その他〕 酸棗仁湯(さんそうにんとう)(サーカディアンリズムを整える漢方)・・・効く人は、虚証。

宮澤賢史先生◎日本栄養精神医学研究会(第18回)◎
November 01, 2018
『亜鉛銅バランスと精神疾患の深い関係』
宮澤賢史先生
【メンタルに亜鉛は大切!!】宮澤先生講義
◎亜鉛・銅バランスは暴力行動と関連する
・・❝1976, Walsh ,Nutrient Power❝
①亜鉛=銅の時のみ、温厚で正常
②亜鉛>銅、亜鉛<銅でも攻撃的・・ただしタイプが違う(爆発的orいつも)
・攻撃的な男性(1.40)は対照(1.02)に比べて有意に銅/亜鉛レベルが高い(p<0.01).
❝Physiol Behav. 1997 Aug;62(2):327-9.❝
◎神経伝達物質の代謝にB6、亜鉛、銅が深く関与している・・銅過剰タイプ(17%)
・・ドパミンの代謝に、ビタミンB6、銅が必要
◎銅過剰タイプ(17%)は、ノルアドレナリンが上昇し、ドパミンが低下・・95%以上が女性!!
<特徴>銅過剰でエストロゲンが増加・・女性特有の症状
① 強い不安感・パニック傾向がある
② 産後うつ病を引き起こす可能性がある
③ 活動的である
④ SSRIで不安が増強する
⑤ 安定剤ではうつが治らない
⑥ ピル、ホルモン補充療法で悪化
⑦ 敏感肌である
性精神障害について、わかりやすく症例を交えて講義していただきました。

横部旬哉先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年10月)◎
October 30, 2018
『運動器疾患と栄養』
【どうする?? 腰痛・肩こり】横部旬哉先生講義
●腰痛の原因はさまざまですが、『腰痛の85%』は原因を特定できていません
⇒器質的な原因よりも機能的な影響が大きい腰痛
→画像では原因はわからない
⇒画像所見を過度に気にする必要はない
●椎間板ヘルニアは見つかっても無症候性が多い。吸収されて小さくなることもある!!!
大きくとび出ている方が、吸収されることが多い
●国民生活基礎調査によると
男性: 1位腰痛、2位肩こり。。
女性: 1位肩こり、2位腰痛。。
●ぎっくり腰・・魔女の一撃
・安静は必ずしも有効な治療法とはいえない。急性腰痛に対して痛みに応じた『活動性維持』は、ベッド上安静よりも疼痛を軽減し、機能を回復させるのに有効である。
・職業性腰痛に対しても、痛みに応じた『活動性維持』は、より早い痛みの改善につながり、休業期間の短縮とその後の再発予防にも効果的である。
⇒「2日間トイレ以外はベッド上安静とした群」より「痛みの範囲内でなるべく普段通りの活動をするよう指導した群」の方が、腰痛の持続や程度、仕事への支障、欠勤日数に対して良好(New England J Med 1995)
• 2日を超える安静を指示すべきでない

和田健先生◎日本栄養精神医学研究会(第17回)◎
October 20, 2018
『見逃されやすい器質性精神障害』
和田健先生
●精神疾患の診断は難しい・・診断基準に当てはめることが出来る?
①問診、診察で症状を把握するけど・・・
・どこからが異常なのか線引きがしにくい
・症状が自覚的な訴えであることが多い
・診る医者によって違ってしまう?
②検査をするけど・・・
・検査結果で診断できない
●精神疾患の原因は何だろう?・・どんな原因で病気になったのかを考え、 その原因を適切に診断しないと、必要な治療につながらないのではないと思う
●診断基準ではうつ病だけど・・・器質性精神障害に気づくことが重要性
①外因性うつ病・・外因を特定することが重要・・検査
例)脳腫瘍による抑うつ状態
甲状腺機能低下症による抑うつ状態
②内因性うつ病
③心因性うつ病
例)死別反応の遷延
●臨床場面では・・いずれにしても、心身両面を診る姿勢が必須
・・器質性精神障害を起こしやすい全身性疾患・脳神経疾患を見逃すな
●代表的な器質性精神障害
①最も注意すべきは・・脳炎・・治療が遅れると致死的となりうる、精神症状のために検査がしにくい
②大うつ病患者における甲状腺機能低下症の頻度は高い(Wu et al, J Psychosom Res 2013)
1.2%《男性0.2%<女性1.7%》
③ACTH単独欠損症・・さほどまれではない。主な症状として、全身倦怠感59%、食指不振54%、意識 障害49%、悪心、嘔吐が33%など
●大切なこと
①疑うことから始まる(器質性精神障害かもとまず考える)
②見逃した際のデメリットは大きい
③経験の共有を大切に
⇒見逃されやすい器質性精神障害について、わかりやすく症例を交えて講義していただきました。

高原健一先生◎日本栄養精神医学研究会(第16回)◎
October 03, 2018
『精神科領域における亜鉛の論文紹介』
訪問看護ステーション膳 所長
● 生体内での亜鉛の生理機能・・生命活動の根幹にかかわる必須微量元素
・タンパク質の構造維持
・酵素の補因子
・シグナル調整因子
・・栄養不良、アルコール依存症、炎症性腸疾患、吸収不良症候群の患者は、亜鉛欠乏症のリスクが高い
<論文>橋本彩子他, 亜鉛吸収を向上させる食品因子の探求, 日本醸造協会誌, 第107巻, 第11号, 2012
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010834286.pdf
● 細胞内亜鉛の分布・・細胞質には,遊離亜鉛イオンが極微量にしか存在しない
・ZIPトランスポーターは,細胞外あるいは細胞内小器官の亜鉛を細胞質へと輸送
・ZnTトランスポーターは,細胞質の亜鉛を細胞外あるいは細胞内小器官へと輸送
※亜鉛トランスポーターは、アミノ酸配列の相同性と亜鉛輸送の方向性から,ZIP(SLC39A)と ZnT(SLC30A)
に大別される
<論文>神戸大朋, 亜鉛代謝の必須分子として機能する亜鉛トランスポーター, 日衛誌, 68, 92–102(2013)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/…/2/68_92/_pdf/-char/ja
● 生体の亜鉛の恒常性は、主にトランスポーターによって制御されている
・・細胞内亜鉛レベルがそれぞれ的確にコントロールされて、生命活動が維持されていることが明らかになってきた
・・亜鉛トランスポーターによる亜鉛シグナルの制御は生体恒常性に重要で、その破綻は病気をもたらす➤➤脳神経系ではアルツハイマー型認知症、統合失調症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、プリオン病など
<論文>Fukada T, Kambe T (2011) Molecular and genetic features of zinc transporters in physiology and pathogenesis. Metallomics 3: 662–674.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21566827
<論文>深田俊幸, 亜鉛生物学と亜鉛シグナルの基礎知識, Biomedical Research on Trace Elements 26 (1): 1–6, 2015
https://www.jstage.jst.go.jp/arti…/…/26/1/26_1/_pdf/-char/ja
● 亜鉛輸送タンパク質の変化がMDD(大うつ病性障害)および自殺の病態生理に関連している
・・うつ病の病因は、亜鉛(Zn)恒常性の崩壊と関連する可能性がある。
<論文>Rafalo-Ulinska A ., et al. Zinc transporters protein level in postmortem brain of depressed subjects and suicide victims. J Psychiatr Res. 2016 Dec;83:220-229.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/…/PMC51071…/pdf/nihms817719.pdf
○ 亜鉛と統合失調症
● 亜鉛運搬体SLC39A12の皮質発現の増加は、統合失調症の病態生理の一部としての亜鉛細胞恒常性の崩壊を示唆している
<論文>Scarr, E.; Udawela, M.; Greenough, M.A.; Neo, J.; Suk Seo, M.; Money, T.T.; Upadhyay, A.; Bush, A.I.; Everall, I.P.; Thomas, E.A.; et al. Increased cortical expression of the zinc transporter SLC39A12 suggests a breakdown in zinc cellular homeostasis as part of the pathophysiology of schizophrenia. NPJ Schizophr. 2016, 2, 16002.
https://www.nature.com/articles/npjschz20162.pdf
● Znは、統合失調症患者の管理における有効な補助剤である
・・1群の患者にリスペリドン6mg /日と硫酸亜鉛のカプセル(それぞれ50mgの元素Znを含む)を1日3回、別の群にリスペリドン6mg /日とプラセボを投与した。PANSSスコアの改善は、硫酸亜鉛受容群でプラセボ群と比較して有意に高かった
<論文>Mortazavi M., Farzin D., Zarhghami M., Hosseini S. H., Mansoori P., Nateghi G., et al. (2015). Efficacy of zinc sulfate asan add-on therapy to risperidone versus risperidone alone in patients with schizophrenia: adouble-blind randomized placebo-controlled trial. Iran J. Psychiatry Behav. Sci. 9:e853
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/…/PMC4644…/pdf/ijpbs-09-853.pdf
● 統合失調症患者は、脳の亜鉛含有量が30~50%低下している。
<論文>Kimura, K.; Kumura, J. Preliminary reports on the metabolismof trace elements in neuro psychiatric diseases. I. Zinc in schizophrenia. Proc. Jpn. Acad. Sci. 1965, 41, 943–947.
https://www.jstage.jst.go.jp/…/41/10/41_10_943/_pdf/-char/ja
● 味覚低下症例とうつ病
・・味覚低下を自覚して外来を受診される患者の4人に1人はうつ病の可能性がある
<論文>小野あゆみ他, 味覚低下症例とうつ病, 耳鼻と臨床, 50, 328~333, 2004
https://www.jstage.jst.go.jp/…/ji…/50/4/50_328/_pdf/-char/ja
● 気性の激しい若年男性が血中銅/亜鉛(Cu / Zn)比を上昇させる
・・1.02➤1.40(t = 5.94; p <0.01)
<論文>Walsh W. J., Isaacson H. R., Rehman F., Hall A. (1997). Elevated blood copper/zinc ratios in assaultive youngmales. Physiol. Behav. 62, 327–329.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9251975
● うつ病患者では血清亜鉛濃度は低下しており、抗うつ薬投与により症状が改善すると、血清亜鉛濃度が正常値に改善する・・亜鉛不足がうつ病発症の一因?
<論文>武田厚司,ファルマシア, VoI.48, No.3, 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/…/48_KJ000097500…/_pdf/-char/ja
● グルタミン酸・・中枢神経系において、約70%の神経細胞が神経伝達物質として利用し,認知,記憶・学習などの脳高次機能に関与している。
<論文>Choi DW. Glutamate neurotoxicity and diseases of the nervous systemNeuron. 1988;1:623-634
https://www.sciencedirect.com/…/1-s2.0-08966…/first-page-pdf
● 主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の二面性
・・グルタミン酸は哺乳類の中枢神経系において,約 70%の神経細胞が神経伝達物質として利用し,認知,記憶・学
習などの脳高次機能に関与
・・細胞外の過剰なグルタミン酸・・興奮毒性による神経細胞死は,脳虚血,脳外傷,てんかん,肝性脳症などの急性神経疾患のみならず,アルツハイマー病,筋萎縮性側索硬化症(ALS),ハンチントン病などの慢性神経疾患における細胞死に共通するメカニズム
● アルツハイマー病(AD)の病態にグルタミン酸の興奮毒性が関与する
<論文>田中光一, グルタミン酸, CLINICAL NEUROSCIENCE, vol.35, no.12(2017‒12)
http://www.tmd.ac.jp/…/…/resources/CLINICAL-NEUROSCIENCE.pdf
● グルタミン酸は中枢神経系のほとんど全ての部位で神経毒性を発現する
<論文>赤池昭紀, グルタミン酸神経毒性と神経保護因子, 日薬理誌, 103, 193~201(1994)
https://www.jstage.jst.go.jp/…/103/5/103_5_193/_pdf/-char/ja
● 精神神経疾患における興奮/抑制アンバランス仮説=主要な精神疾患の中に,グルタミン酸トランスポーターの異常による興奮性と抑制性のアンバランスが原因で発症する患者が一定の割合存在・・「グルタミン酸トランスポーター機能異常症候群」
<論文>田中光一, グルタミン酸と精神疾患, 日薬理誌, 142, 291~296(2013)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/142/6/142_291/_pdf
● 統合失調症では細胞外グルタミン酸濃度が上昇し,脳全体として興奮性優位となっている??
<論文>Patil ST, et al. Nat Med. 2007;13:1102-1107
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17767166
● うつ病患者の血液中におけるグルタミン酸濃度を測定した結果、健常者と比較してグルタミン酸濃度が高く、抗うつ薬治療により減少する
<論文>Mitani H, Shirayama Y, Yamada T, et al(2006)Correlation between plasma levels of glutamate, alanine and serine with severity of depression. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 30 : 1155-1158.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16707201
● グルタミン酸と自閉症・・グルタミン酸とアラニンレベルとHAM-D(Hamilton Depression Rating Scale)スコアとの間に正の相関を示した
<論文>松崎秀夫, 自閉症のバイオマーカー, 脳と精神の医学, 第20巻, 第4号, 2009年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16707201
● 強迫性障害患者の脳内ではグルタミン酸量が増加し,これにより神経伝達が亢進している
グルタミン酸神経伝達を抑制する薬剤に強迫性障害の治療効果がある
<論文>Ting JT, et al. Curr Chem Genomics. 2008;2:62-75.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/…/PMC274…/pdf/TOCHGENJ-2-62.pdf
● BDNF(脳由来神経栄養因子)とは脳内で最も豊富に含まれている神経栄養因子で神経系の成長や分化,維持,増強作用に関与する
<論文>中里道子, 摂食障害と脳由来神経栄養因子, 日本生物学的精神医学会誌, 21(4), 237-244, 2010
https://www.jstage.jst.go.jp/…/js…/21/4/21_237/_pdf/-char/ja
● フラボノイドおよび亜鉛は、CNSニューロンに複数の有益な効果を及ぼす・・亜鉛はBDNF発現に関与している
<論文>Numakawa T, Richards M, Nakajima S, et al. Front Psychiatry. 2014, 5, 136
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/…/PMC41…/pdf/fpsyt-05-00136.pdf
● ミネラルの供給源である野菜に含まれる鉄・亜鉛・マグネシウムなどのミネラル含有量が、以前の同じ野菜の数分の1位しか含まれていない
我国のみならず世界の耕作地土壌の微量ミネラル含有量が著しく減っている
<論文>安田寛, 亜鉛不足の現状:早期発見・早期介入の必要性, Biomedical Research on Trace Elements, 27(3):125-140, 2016
https://www.jstage.jst.go.jp/…/br…/27/3/27_125/_pdf/-char/ja

今野裕之先生◎日本栄養精神医学研究会(第16回)◎
October 03, 2018
『認知症と亜鉛〜リコード法を交えて〜』
ブレインケアクリニック 院長
【リコード法ってなんだろう?】
リコード法(ReCODE Protocol)とは?・・・多数の検査からアルツハイマー病の発症につながる要因を見つけ、一つでも多くの要因を改善するために食事・運動・睡眠・脳トレ・瞑想などを組み合わせて行うオーダーメイドの治療システム
〇リコード法の革新的な点は?・・・従来は治療の手段が乏しかったMCIや、アルツハイマー病に対してより根本的なアプローチができるようになったこと
〇開発者は?・・・デール・ブレデセン医師
★リコード法におけるアルツハイマー病の考え方★
⇒アミロイド仮説(アミロイドβが蓄積して神経が障害)ではない
⇒神経細胞に障害を及ぼす様々な問題が起こり、防御反応としてアミロイドβが蓄積している。
〇アルツハイマー病を含め、慢性疾患は代謝バランスの偏りによって起こる
発症の抑制因子と促進因子のバランスが崩れると発症する
・・APP(アルツハイマー病原因遺伝子)の代謝に注目
〇アルツハイマー病は主に4タイプ・・治療はこれらの要因を排除する
・1型 炎症性・・感染症や不適切な食事が原因
・2型 萎縮性(栄養不足)・・エストラジオール、テストステロン、インスリン、ビタミンDなどの減少
・1.5型 糖毒性・・APOE4と2型糖尿病、メタボリックシンドロームがリスク因子
・3型 毒物性(毒素への暴露)・・水銀、銅、麻酔剤、マイコトキシン(カビによって産生される毒素)、ダニに関連する生物毒素(例えば、ライム病由来のもの)などが原因
例:炎症タイプでは??
⇒ApoE4遺伝子や慢性の感染症、トランス脂肪酸の摂取などにより起こりやすくなる
検査データの特徴は?
① 高感度CRP, IL-6, TNFα増加
② A/G 低下
③ ホモシステイン増加
④ ビタミンD 低下
⑤ 甲状腺機能低下
⑥ コルチゾール増加
〇リコード法による治療
1.脳の炎症を予防する・・例)糖やトランス脂肪酸の摂取を控えよう
2.栄養不足、ホルモンを最適化する・・例)ビタミンD、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸、亜鉛などの必須栄養素を積極的にとろう
3.毒物を除去する・・まず毒物の特定を始め、発生源を取り除こう
〇リコード法 の食事:『 ケトフレックス12/3』とは?
・ケト:身体が脂肪を燃焼してエネルギーを作る状態
・フレックス:緩やかな菜食主義(flexitarian diet)
・12/3:朝ごはんまで12時間空ける、夕飯は就寝3時間前まで

吉冨信長先生◎日本栄養精神医学研究会(第15回)◎
September 29, 2018
『脳と栄養』
株式会社コメディア 代表取締役
日本食品油脂安全性協議会 認定者
自分はどのタイプ(体質)??
DNAメチル化(遺伝子発現のスイッチのオンオフ)で、食事やサプリを考えよう
①低メチル化(輸送体は過剰)・・・・例)セロトニンの分泌が低下して、うつ状態、強迫、自閉傾向
➤SSRIが良い⇒メチル化(メチオニン・SAMe)の必要性、高タンパク(メチオニン)の必要性⇒アセチル化(葉酸、ナイアシン)で悪化
②高メチル化(輸送体は減少)・・・・例)ドパミン過剰で幻覚妄想、不穏傾向
➤SSRI、メチオニン、SAMeで悪化⇒アセチル化(葉酸、ナイアシン)の必要性
③正常なメチル化が行われている人・・・・神経伝達物質のシナプス前膜の「再取り込み輸送体数」は最適量となり神経伝達が正常
※アセチル化(アセチレーション)・・・メチル化と逆に遺伝子発現を促進させること(スイッチオン)
※エピジェネティクス・・・後天的に遺伝子発現をコントロールすること
Nutrient Power: Heal Your Biochemistry and Heal Your Brain – May 6, 2014 by William J. Walsh

吉田格先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年9月)◎
September 16, 2018
『口から始める栄養療法〜栄養のエントランス 口と歯のヒミツ〜』
●砂糖の害
1.ムシ歯が多い人・・・血糖調節障害、リーキーガットを疑え
2.砂糖を止められないのは腸のカンジダ(カビ)が糖分を先取りし低血糖を起こしているからかもしれない・・だから砂糖を欲する
3.カンジダは腸管に穴を開けリーキーガットに・・・不定愁訴↑
4.ムシ歯が多発する人・・・・全身も要注意
●咀嚼(そしゃく)力・・咀嚼能力は、歯の本数・噛む回数。咬合力・唾液量などで変化
1.現代人の咀嚼回数・咀嚼力の低下は著しい
2.歯の欠損は当然咀嚼力が低下する・・歯の疾患が直接死因になることはまずないにもかかわらず、 歯が少ないと短命なのはなぜか?
3.唾液による解毒力の低下・・唾液によるアフラトキシンの解毒
4.咀嚼回数の低下により胃酸・消化酵素の接触機会も低下
5.脳血流量も低下
6.歯垢停滞量は増加
●アフラトキシンとナッツ類
1.アーモンドなどのナッツ類に付着する菌が産生する発がん物質
2.ローストしたものにする、食べ過ぎない、唾液30秒(カタラーゼ、SOD、ペルオキシダーゼ)で解毒
●微弱な慢性炎症の放置は 体に負担をかけ続けます
歯科:歯周炎、インプラント周囲炎
耳鼻科:上咽頭炎、副鼻腔炎
例:上咽頭が炎症の一因だった:フェリチン400⇒200へ
●口腔は容易に感染源となり 細菌は3方向に全身へ拡散
1.歯周病細菌や毒素が歯肉から血流へ
2.根尖病変から血流へ
3.口腔内細菌が咽頭に落ち、肺炎・SIBOなどへ
●口腔と腸(理化学研究所ニュース No64より)
・口腔は直腸と同程度の細菌数
・口腔内細菌がSIBOの原因になる可能性
●歯石除去後3日間は献血できません
●口腔内細菌
1.関節リウマチに影響(新潟大学)
2.クローン病や大腸がんの原因になる可能性
●メタロチオネイン metallothioneinは強力な重金属結合タンパク・・毛髪ミネラル検査
1.銅過剰・水銀(歯科ではアマルガム(今は保険から削除)含有)排泄に有効
2.「亜鉛」摂取により発現し、胆汁とともに腸管へ排泄
3.半減期が数日と短いので、「便秘」があると腸管より再吸収されてしまう
●SIBO(しーぼ:小腸細菌異常増殖症)
診断:水素メタン呼気試験(SIBO検査)
※口腔内細菌が胃酸で破壊されずに小腸に達した結果生じる可能性もある
●口から始める栄養療法
歯ぎしり・噛みしめをしないように意識しよう
最低30回、できれば100回噛もう
●紫外線の強い山のぼりで、CoQ10、アスタキサンチン、クルクミン・・・
●トリプトファンからキノリン酸経路、セロトニン経路
・・・・尿中のキノリン酸と5-HIAA(セロトニン代謝産物)の比は?
●尿中有機酸検査・・・酒石酸、アラビノースが上昇している方は、カンジダ異常繁殖
●食事の本来の目的は?
生きるために食べる、ではなくなった
食はエンターテイメント化し栄養補給という本来の目的が忘れ去られている
・・柔らかい食べ物が増えた
⇒「軟食文化」を見直そう!!

吉田明暉代先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年9月)◎
September 16, 2018
『薬膳と鉄欠乏』
吉田 明暉代先生
座談会「薬膳と鉄欠乏」
Smiletable薬膳料理室 主催
九州薬膳研究会 会長
★血に関係する症状と食材について
●脾胃が弱いと、心が養われない脾虚
⇒ほうれん草、ニンジン、豚肉、羊肉、牛肝、すっぽん、なまこ、いか
生薬:棗、竜眼、松の実、きくらげ、枸杞葉、杜仲、桑の実
料理例:棗とクコと金針菜と豚肉のスープ
寒涼のものを避ける
●養血の作用のある食材と、肝腎の機能を高める作用のある食材 肝腎不足
⇒金針菜。栗、豚肝、うずら、鶏肉、鹿肉、烏骨鶏、イカ
生薬:すっぽん、何首烏 枸杞子
料理例:イカと貝柱の卵とじ
辛温性のものを避ける
●脾腎陽を補う食材を選ぶ。 脾腎陽虚
⇒にら、くるみ、黒胡麻、羊肉、うなぎ、えび、たまご
料理例:えびとにらのにんにく炒め 羊肉と黒豆のスープ
寒涼のものを避ける
薬膳の考え方のベース
①「天人合一」=宇宙の摂理に合わせて生きること、人間も自然の中の一部、旬や季節の恵みを大切に頂く。
②「身土不二」=「身」(今までの行為の結果)と、「土」(身がよりどころにしている環境)は切り離せない。・・・生まれた土地のものを食べる。
★薬膳の基本
①生気を保養する(健康な人)
②邪気を取り払う(不健康な人)
③陰陽の調和
★東洋医学において、五行説と五臓六腑、季節が関係している。
例:属性 金
五臓六腑 肺、大腸
季節 秋
★体を構成する基本要素
○気・・・生命活動を維持する機能
○血・・・脈管を流れ、全身に栄養を与え、体を潤す赤い液
○水・・・血以外の水分、潤い。外に出ると、汗、涙など
★血管には、気血水がすべて入っている。
○血や気を作るのは、脾の働き。脾は、気血生背の源と言われている。
○飲食の不摂生や過度の過労によって、脾の働きが弱ると気血が作られなくなる。
○血は本来、体を冷やしたり、潤したりする陰の作用を持っているが、血の長期の不足は、逆に体を温める陽の働きを損なう。
◎血の不足が続くと、肝と腎の機能も損なわれる。
★今日食べたものは、今食べたものが、自分の体を作ります。美も、性格も、食生活でコントロール。
Smiletable:笑顔の食卓、楽しく無理なく、元気な明るい食卓を大好きな人と、囲める幸せを感じて欲しい。

菊池友和先生◎埼玉小江戸漢方カンファレンス2018秋〜鍼灸師医師交流会・薬剤師学術講演会~(2018年9月)◎
September 12, 2018
『医師と鍼灸師の連携の大切さ』@鍼灸師医師交流会
●埼玉県は、75歳以上の高齢者の増加率が全国1位
●医師と鍼灸師が連携が必要なケースは?
・・医師側(医療機関)から見ると、ポリファーマシーな患者、マルチモビディティな患者、NSAIDsが使いづらい患者(CKD:慢性腎臓病など)
・・鍼灸師側(鍼灸院)から見ると、愁訴はあるけど一般検査で異常ない方で進行または不変、経過観察の意味を取り違えている or 鉄欠乏かも!!、Red Flagsなど
※マルチモビディティは,キーとなる疾患が設定しづいらものを言います。
たとえば,糖尿病にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と前立腺肥大が併存しているような状態のことを言います。
※高齢者マルチモビ゙ディティ」でキーとなる疾患および健康問題・・・・慢性心不全、慢性閉塞 性肺疾患、認知症、筋骨格系の慢性疼痛、さらに孤独と貧困。
これらに対する必要最低限かつ根拠のある投薬に加えて、非薬物治療(食事や運動、 鍼灸など)の積極的な利用、ソーシャル・サポートの構築などを心掛けよう。
藤沼 康樹、総合診療 25巻12号 (2015年12月)
●私立公立病院における鍼灸部門開設院数は、2051施設
ちなみに埼玉は115施設・・もっと国民のために医師と鍼灸師が連携すべきでは?
菊池先生グループの調査によると
・・埼玉県内の医療機関内で鍼灸治療を行なっている施設は約7%、連携を考えても約9%であった。
・・日本の診療ガイドラインに鍼の記載があることを知っている医師は埼玉県では10%であり、64%の医師はガイドラインで推奨されれば、鍼治療を推奨する。
●医師と鍼灸師が連携するために取り組んでいること
鍼灸のことを知ってもらう・・医学部の教育にも鍼灸導入、エビデンスも大事
●Cochrane Systematic Reviewで鍼灸に肯定的な結論が述べられている疾患・症状(2018年3月現在)
・・一次性頭痛、episodicな片頭痛、緊張型頭痛、頸部障害、術後の嘔気・嘔吐(鍼に限定しない経穴刺激)、原発性月経困難症、妊娠中の腰痛・骨盤痛、陣痛軽減
・・鍼灸は痛みに関するエビデンスは比較的ある・・片頭痛に対する鍼の作用機序
● 医師と鍼灸師が連携することで国民にとって満足度の高い医療が提供できるのでは?
1.非薬物療法の選択肢が増える
2.鍼灸は痛みに関するエビデンスは比較的ある(2018年現在)
3.早期に医療の介入が望まれる疾患や症状を医療機関に紹介することができる

宮澤仁朗先生◎埼玉小江戸漢方カンファレンス2018秋〜鍼灸師医師交流会・薬剤師学術講演会~(2018年9月)◎
September 12, 2018
『認知症治療と漢方』
宮澤仁朗先生
特別医療法人 さっぽろ悠心の郷 ときわ病院 院長
漢方のお話だけでなく、簡易診断法、画像診断(脳形態、視覚情報処理)、検査方法など幅広い臨床経験から興味深いお話を伺いました
●近年アルツハイマー型認知症が増加
診断技術の向上により・・新たな疾患概念:レビー小体型認知症
●アルツハイマー病の簡易診断法
① 記憶の検査・・日時の見当識、遅延再生
② 図形の描写・・立方体の絵
③ SPECT(核医学検査)、頭部MRI
④ 血液・尿検査・・血液検査、生化学(肝・腎・甲状腺機能、ほか)
●認知症のBPSD(行動・心理症状:behavioral and psychological symptoms of dementia)に対する薬物療法・・幻覚妄想・夜間妄想・精神興奮等に対して使用
・・主流は非定型抗精神薬(第二世代抗精神病薬)、錐体外路症状は軽減したが、他の副作用が問題
➤➤漢方薬の特徴、有用性を考える!!
●アルツハイマー型認知症に対する漢方治療
抑肝散・・興奮しやすく、精神不安、イライラを伴う場合
抑肝散加陳皮半夏(抑肝散+半夏、陳皮)・・より神経症状が強く、悪心、嘔吐などの消化器症状を伴う場合
●「対」(つい)の概念・・陰陽・寒熱・気血・背腹・臓腑・・中医学の「五行学説」
●中医学理論から認知症を考える
肝心:欠くことのできない大切なこと(「きもごころ」と読む場合、こころ・たましい・正気を表す)
・・心は神志(心血、心気)を主る➡意識・知識・理性↓→中核症状
・・肝は情志(肝血、肝気)を主る➡感性・本能・欲望↓→BPSD
心血は衰えやすい 心血虚・・健忘、不眠、多夢
肝気鬱血・・亢進、失調・・BPSD(所有欲、支配欲、帰巣本能)
●肝の治療原則
1. 気と血を同時に治療する
2. 脾(消化器官)への配慮(症状がなくとも配慮=「未病を治す」の原則)
3. 二次的変化への配慮・・虚血、痙攣、震え
●抑肝散加陳皮半夏の効用(一部掲載)
・陳皮と半夏の組み合わせは二陳湯に由来する対薬
理気化痰の陳皮と燥湿化痰の半夏を抑肝散に加えたことで消化吸収機能を高める効能を期待
・陳皮に含まれる成分が消化管ホルモンのグレリンを介し5-HT₂受容体拮抗作用によって食欲改善効果をもたらしている可能性を示唆
※HiroshiTakeda, ChiharuSadakane,TomohisaHattori,etal.Rikkunshito,an Herbal Medicine,Suppresses Cisplatin-Induced Anorexia in Rats Via 5-HT2 Receptor Antagonism.Gastroenterology 134:2004-2013,2008.
●陳皮に関する最近の知見
1) 陳皮の成分ノビレチンの作用*1
① 記憶障害改善作用
② 脳コリン作動性神経の変性抑制作用
③ 脳内でのAβ蛋白質の 蓄積抑制作用
④ Aβの神経毒性抑制作用
⑤ 神経保護作用
2) ミエリン(髄鞘)の再生作用*2-3
3) 抗不安作用*4
*1 漢方と最新治療 16(4);247-250,2007、日薬理誌 132,155-159,2008
*2 J of Neuroscience Research 85 2007 、 Neuro 2007 Sep.10
*3 Administration of Chinpi, a component of the herbal medicine Ninjin-Yoei-To, reverses age-induced demyelination
*4 phil 漢 方 No.46 : 26-28, 2014
●アルツハイマー型認知症にならないための食習慣
1. 青魚を摂取:ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などのω3系・不飽和脂肪酸が有効
2. ビタミン摂取:緑黄色野菜などのビタミンA,B,C,Eが有効
3. カレーを摂取:黄色成分のウコンに含まれるクルクミンがべーたアミロイドタンパクの生成を抑制
4. 赤ワインの適度な摂取:ポリフェノールが繊維化したβアミロイド蛋白を分解
5. 野菜ジュースの摂取:ポリフェノールが繊維化したβアミロイド蛋白を分解
6. 緑茶:カテキン
※第32回 熊本県外来精神科カンファレンス
平成30年9月8日
演題:アルツハイマー型認知症の脳形態、視覚情報処理、初期診断と治療
~漢方薬・西洋薬による認知症薬物治療を総括して~ 宮澤仁朗先生
http://www.kumamoto.med.or.jp/cts04_kouenk…/2018.08.24-2.pdf

久永明人先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年8月)◎
August 18, 2018
『こころを癒す漢方診療 ~こんなときには漢方を~』
久永明人先生
医療法人清風会 ホスピタル坂東
医療法人社団ひのき会 証クリニック併設和漢診療研究所 所長
●漢方は、中国の医学ではない !!
・・中国の古典を原典としつつわが国で独自に育まれた日本固有の伝統医学
・・西洋医学のEBMに限界があることは周知の事実であり「個の医学」としての漢方医学は臨床実地で有用性が高い
※ 「蘭方」に対して「漢方」と称した
●精神科での漢方治療には3つの場面があります
I. 認知症医療における漢方治療
II. 神経症や心身症に対する漢方治療
III. 統合失調症やうつ病・躁うつ病に対する漢方治療
・・漢方薬単独での治療は原則として行わない
※主剤として漢方薬が適応となる精神疾患
① 全般性不安障害
② 恐怖症性不安障害
③ 身体症状症
④ 転換性障害
⑤ 解離性障害
⑥ 認知症における行動心理症状
●漢方薬治療では、自律神経機能の回復が期待されます
・漢方薬は自律神経障害の治療に長けています
・自律神経機能の回復を図ることができる西洋薬は事実上皆無です
・漢方薬は特に交感神経の亢進を抑制する臨床効果が優れています
●精神症状に関する捉え方が現代医学とは根本的に異なっています
精神疾患の治療方剤は、主として身体診察による身体所見にもとづいて証を決定し証に随って治療
●苦味と解毒・・「毒を以て毒を制す」
・苦味は毒を見分ける味覚として発達しました
・「良薬口に苦し」と言うが …苦味成分は毒だが少量の摂取で薬にもなります
●裏寒に対する治療をするなら…まずは中から温めます
附子(ブシ)・烏頭(ウズ)、真武湯
足湯と運動は気血の巡りを改善
●冷え対策の食事指導
・冷えが強いときには、食に偏りがないかを聴取し、夕食の炭水化物を制限して、肉食を勧めます
・冷たい飲み物や食べ物の摂取が多過ぎないか見直します
・白砂糖・生野菜・果物は特に冷えを助長するので、それらを摂取し過ぎないように
●漢方治療の対象者の多くは治療困難な慢性疾患
→ これからは漢方医学にも精神医学的視点が要求されるのではないか?
●精神科医療の中で漢方薬が使われる場合
・まず精神医学的診断が不可欠
・漢方薬の主たる標的は不安緊張状態によってもたらされる自律神経症状
・精神療法も不可欠
●今後の課題
① 漢方医学において精神療法はどうあるべきか?
② 漢方薬随証治療を行うことの精神療法的意義は?

井手口直子先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年8月)◎
August 18, 2018
『スーパーフード その活用とアドバイス』
井手口直子先生
帝京平成大学薬学部 教授
同大学大学院薬学研究科 薬学専攻 教授
日本スーパーフード協会 理事
監修:医学会キッチンの4種類のオリジナルのスーパーフードブレンド
●栄養は基本的に食事で補いたい・・野菜の栄養価は昔と同じか?・・スーパーフードの活用!
<スーパーフードとは?>
①栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品
②ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品
●スーパーフードを食事に使うメリット
①目的に合わせた栄養素・有効成分を摂取するための手段として
②少量でも必要な栄養素が摂取できる(食の細い方、高齢者などに)
③治療食の見た目を良くする
●スピルリナ
高タンパク質、ミネラル、ビタミン、γ-リノレン酸、鉄が豊富な総合食品
●マカ・・南米ペルーの高地で2600年間栽培されてきた
女性における臨床研究:1日当たり3.3gのマカ、あるいは偽薬を6週間投与したランダム化二重盲検偽薬対象クロスオーバー試験では、偽薬群に比べてマカ投与後では拡張期血圧の有意な低下、鬱状態の有意な改善が認められた
滋養強壮、精力剤として→ヒトでのエビデンスあり
●ビタミンC豊富・・・カムカム、アセロラなど
●高齢者の最大の問題は「低栄養」・・フレイルの危険は筋肉量低下+孤独・・「うつ」
フレイルの3要因・・「身体要素」「精神要素」「社会要素」
フレイル予防に必要なこと・・筋肉を増やすための運動と食事・・体重1kg×1gのタンパク質を毎日食事から取る

亀川寛大先生◎日本栄養精神医学研究会(第14回)◎
August 17, 2018
『糖と精神疾患』
なごみクリニック 院長
糖質過多の改善⇒血糖乱高下・糖化・炎症の回避+タンパク質やビタミン・ミネラル等の補充+α
実際に先生ご自身が様々な食材で血糖の変化を確認:自験例が豊富
●血糖値の変動
・・・集中力低下、眠気、空腹感、倦怠感、不安・イライラなど
●血糖調節ホルモン:インスリン
・・脳においては、摂食・エネルギー代謝調節、 記憶・学習、ニューロン新生に関与
●認知症は生活習慣病!
危険因子・・糖尿病で1.3~1.8倍
軽減因子・・教育(知的生活習慣)、運動・身体活動、社会的交流
●アルツハイマー型認知症は3型認知症・・糖尿病は万病のもと(健常人の4.6倍)
インスリン分解酵素・・本業はインスリンを分解、副業はアミロイドβの分解
原因は?・・脳のインスリン抵抗性仮説・・インスリン抵抗性?
脳の掃除は夜勤体制
●脳でのインスリン抵抗性
・・海馬・大脳皮質、記憶障害、学習機能障害・・アルツハイマー型認知症
・・視床下部、過食、内臓脂肪蓄積・・肥満、糖尿病
●糖質を減らして認知症、統合失調症の一部の症状が緩和した例
SGLT-2阻害薬(仮想糖質制限)や食事指導により粗暴行為、暴言、易怒の軽減した例
タンパク質体重当たり1g、サラダ油禁止、良質な脂など
●糖質を減らすのは健康食と治療食で分けよう!
①健康食:ダイエット(減量目的)、アンチエイジング(糖化防止)・・糖質量150gを目安に
②治療食:動脈硬化性疾患、糖尿病合併症、精神疾患、癌・・糖質量は限りなく減らす
(癌は正常細胞よりブドウ糖をより多く摂りこむ)
●1日1麺生活で体重上昇!BMI25以上の肥満に!
食後血糖値は、糖質で100%上昇
食べる順番だけでも変えられる!➤野菜、汁物、おかず、ご飯の順で
8/25ラーメン好きの医者が教える糖質制限の外食ガイド
亀川式ZAITAC、糖化損塾
日本人の平均糖質摂取量は240g/日

石神等先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年7月)◎
July 21, 2018
『人間関係がうまくいくコツ』
● 笑顔溢れる!情熱ドクターこと石上等先生、明日から実践すれば人生100倍楽しくなりそう!
●「なんでわかってくれないんだ」と思っていませんか?・・自分を起点に考えていませんか?
★人生における悩みの80%は人間関係である
(by ウィリアム=グラッサー)
★人生の悩みの全ては、人間関係に起因する
(by アルフレッド=アドラー)
●『選択理論心理学』
実践すると見えるものが変わってくる
精神科医ウィリアム・グラッサー博士が、カウンセリングの現場で考案。精神科病棟再入所率90%→12%に。
⇒自分の行動に焦点を当てよう!
1.人は自分の行動しかコントロールできない
2.人は内側から動機づけられており、自分の願っているものを手に入れるために行動する
3.自分が相手にすることは、相手にとって数ある情報の一つに過ぎない
4.その情報に対して、どんな行動をとるかはその人次第である
● 5つの基本的欲求・・人は自分の欲求を満たすとき、他人の欲求を満たす邪魔をしない責任がある
①愛、所属の欲求・・愛し、愛されていたい。誰かとつながっていたい
②力の欲求・・仕事などで能力を発揮し、価値ある存在でいたい。
③自由の欲求・・物事を自分で決めたい。経済的にも自由であること
④楽しみの欲求・・趣味や教養など、人生を楽しんでいること、色々やりたい!
⑤生存の欲求・・心も体も健康であること(睡眠、安全、生殖)、キーワード「安心、安定、安全」
● 身につけたい7つの習慣で接する
傾聴、尊敬する、受け入れる、励ます、信頼、支援する、違いに交渉する
● 人間関係に悩む人の考え方
① 私は相手をコントロールできると思っている
② 私は正しい事を知っている。だから相手を正してあげないといけない
③ 私のいうことを聞かない人を批判したり、私のいうことをきく人をほめたりするのは正しい事で、私にはその責任がある
● 上質世界とは?
(好きなこと、趣味、大切にしているもの・人、信じていること、実現したいこと)
人には上質世界という、その時その人にとってとても大切な人、モノ、考えがある。
人は上質世界に近づく情報に関心を示し、上質世界を求めて行動する。
●気持ちを楽にする方法は?
★ 変えよう!行動・・ニッコリする、深呼吸する、質問する
★ 変えよう!願望・・「こうさせたい」→「良い関係が大事」
★ 変えよう!見方・・つらい事→乗り越えれば成長できる! もっと解りあおう(^^)/

松本桃代先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年7月)◎
July 21, 2018
『母子の栄養と健康』
松本桃代先生
永井マザーズホスピタル 管理栄養士
NPO法人 母子栄養懇話会 理事
●日本と米国のBMIに基づく妊婦の体重増加量の目安を比較すると。。
日本より米国の方が体重増加に寛容で・・体重増加にこだわり過ぎて低栄養になっている??
☝妊娠前のBMIによって体重増加の許容範囲は大きく異なります!
●日本人の食事摂取基準2015年版によると、妊娠中の最終体重増加量は11㎏
妊娠中の体重増加量の推移は、母体合併症の頻度が低い、児が大きすぎず、小さすぎないようにコントロールします
●「美食2eggs 習慣」・・美しく健康になりながら、ベビーを丈夫に育むニンプ食を提唱!
☝実際に妊婦に栄養指導を行う場合には、バランスよく栄養素の摂取を促すことを基本として、体重はその評価項目の一つである点に留意すべきである(松本先生の妊婦栄養指導の基本的考え)
●つわりのお食事・・つらいけど少しでも快適にという願いを込めて・・
◇水分を上手に補給する
・・甘い飲み物を避け、小まめに水分をとる、1.5L/日目標
◇「食べたいものを食べる」をやめ、胃にやさしい食事をする
・・消化の良いたんぱく質を中心に少量ずつ頻回に
・・糖質中心はビタミンB群不足で体調不良加速するので注意
◇胃にやさしい生活をする
・・明るい気持ちになれることを探す、つわりを忘れることが一番!、趣味が大事!
●妊娠中に不定愁訴が減るために・・好きなこと、趣味を楽しみましょう!
☝楽しい時間を過ごしていれば食行動ばかりに意識がいかない、不定愁訴も減る!
●妊娠中・産後も適度な日光浴が必要です、赤ちゃんにも5-10分くらいの短時間な日光浴を!
・・J Yorifuji. Craniotabes in Normal Newborns: The Earliest Sign of Subclinical Vitamin D Deficiency. Journal Clinical Endocrinology Metabolism. May 2008,93(5):1784-1788
●赤ちゃんのお食事=Complementary Feeding
☝豊富なエネルギー、たんぱく質、鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンA、ビタミンC、葉酸が含まれていて、塩辛すぎない。子どもが食べやすく、好まれるもの
☝レバーの摂取を離乳開始時期から積極的に与える。粥や野菜ペーストのような水っぽく栄養価の低い内容に偏らないよう、積極的に油脂を取り入れて栄養価を上げる
●鉄、亜鉛、Mg、Ca、Na、Cu、P、Cu、Cr、タンパク質、ビタミンB12・・・・・母親の胎内貯蔵量が不足していても、母乳は一定の量。
●おかずのある朝食を食べよう!・・テスト結果に影響が出るかも・・
●母子の健康のために、人生を楽しみましょう!
◇健康でなければ、心から楽しめません・・体にやさしい食事、体への感謝、笑いのある日常
◇調理をしよう!・・お味噌汁を作ろう、卵を焼こう、肉や魚を炒めよう

坂元薫先生◎埼玉県栄養精神医学研究会(第1回)◎
July 18, 2018
『双極性障害〜その新たな治療への期待〜』
坂元薫先生
●双極性障害(そうきょくせいしょうがい)(=双極症=そううつ病)はどんな病気?
①再発率が高い。「自殺率はうつ病の2倍」・・・双極Ⅱ型も自殺率は高い!
②軽躁(けいそう)状態は見逃されやすい⇒適切な診断・治療導入までに長期間を要する傾向⇒早期治療!
③双極性うつ病とうつ病の治療法は大きく異なる⇒早期の適切な診断が大切です!
●躁病の2つのタイプ
①躁病エピソード+大うつ病エピソード=双極I型・・・少ない
②軽躁病エピソード+大うつ病エピソード=双極II型・・・多い
●双極II型は見逃されている!・・過去の“そう”のエピソードを確認しよう
*うつ病外来受診者の60%⇒実は双極II型だった(Benazzi, 2004)
*双極性障害の37%⇒うつ病と誤診(Ghaemi, 2000)
*双極性障害の1/3⇒正しい診断・治療に出会うまで発病から10年以上を要する(Hirshfeld, 2003)
●双極性障害を見逃さないために知っておくべきこと
《うつ病より双極性に多い症状は?》
①過眠 ②過食 ③不安症状の合併 ④精神運動制止 ⑤気分変動性 ⑥精神病症状 ⑦自殺念慮
《うつ病より双極性に多い特徴は?》
①発症年齢が若い ②うつ病エピソードの再発が多い ③うつ病の罹病期間が長い ④症状の急速悪化と急速改善 ⑤繰り返し離婚・転職する
《双極性の抗うつ薬への反応の仕方は?》
①何種類もの抗うつ薬に反応しない
② 逆に抗うつ薬に急速に反応して躁転する可能性
③賦活症状(眠れない、イライラ、不安など)が生じる
★★うつ病にならないために★★
A.自分の体調や健康を無視するのをやめよう。
B.余計な関わりをもつのをやめよう。
C.見栄を張って助けを求めないのをやめよう。

北川純先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年6月)
June 22, 2018
『口腔から全身への健康づくり』
北川純先生
北川歯科医院 院長
“腸一流”であることが免疫力を高めます。
歯周病は免疫力の高い人は発症しにくい。
● 腸管は免疫機序の源
病原菌(悪玉菌)の侵入しても、トレーニングされた免疫細胞は血管網を通じて全身に運ばれ、全身の免疫力を高めます。つまり腸内細菌という人間に寄生して存在している微生物が、免疫細胞と協力し合って恒常性の維持をしている
対策:食物繊維やヨーグルト、味噌、納豆、漬物などの発酵食品を摂取
● 歯ぎしりしていませんか?
ストレスからの解放、緩和させるためにブラキシズム(歯ぎしり、非生理的噛みしめ)を行います
顎関節症の患者さんのほぼ全症例が<心>に何らかの問題を抱えています
● 家庭での食に大切な3要素は、<味覚> <咀嚼> <会話>
● 歯周病は様々な病気のリスク因子になります
心臓病(2.5倍)、脳血管疾患(2.8倍)、動脈硬化、糖尿病(1.3倍)、骨粗鬆症、低体重児出産、バージャー病、アルツハイマー型認知症(1.9倍)、誤嚥性肺炎など
● 喫煙は次世代へも影響する!!
● 口呼吸をしている人は鼻呼吸へ
鼻呼吸《〇》:鼻毛フィルターを通ることにより、埃や異物が除去され、湿度も与えられる
口呼吸《×》:フィルターを通ることなく、雑菌や埃などの異物を含んだ空気が直接咽頭に接触し、肺へと送られます

森安美月先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年6月)
June 22, 2018
森安美月先生
Mitsuki Style 代表取締役
○ ベジデコサラダ Vegedecosaladとは?
まるでデコレーションケーキのようなサラダ!
ノンシュガー&グルテンフリー
誰もが笑顔になる!
CNN取材動画
○ ベジデコサラダ®の主な材料
野菜:ビタミン・ミネラル・食物繊維
フィトケミカル (抗酸化力のあるポリフェノール、フラボノイド、カロティン含有)
豆腐クリーム: 植物性タンパク質、ミネラルの天然にがり(Mg)含有
麹: ノンシュガーの発酵食品、日本の伝統調味料=日本伝統の糀の使い方を海外に広めていく
大豆: 低糖質でグルテンフリー、女性に嬉しい大豆イソフラボン含有
○ グルテン(グリアジン+グルテニン)は、弾力性と粘着性を持ち、アレルギーの原因になります
ジョコビッチの「生まれ変わる食事」で脚光を浴びました
○ テケ食なベジデコサラダ®
★腸管対策+抗炎症対策+ストレス対策+酸味豊富で鉄吸収をサポート
【テケジョ=鉄欠乏女子】 テケダン のための“鉄欠乏回復食”
○ VegedecoSalad Lab:7月OPEN!ショップは金、土、日営業
ベジデコサラダ、ノンシュガー&グルテンフリースイーツのメニュー開発や販売を行います
★ご著書:『ベジデコサラダの魔法』で作り方も詳しくご紹介されています

冨澤英明先生◎東京若手漢方医会◎
June 12, 2018
『運動器の痛みにコミットする漢方』
冨澤英明先生
【骨折しても痛み止めは処方しない】
★早期の骨折が治るのが遅くなるので安易に使わない
使うと、血管収縮、炎症反応の阻害。
痛み物質の放出は低下。
⇒血流を阻害し治癒が遅れる
★NSAIDs(ステロイドではない抗炎症・解熱・鎮痛薬の総称)
プロスタグランジンの合成を阻害することにより効果を発揮するが、プロスタグランジンは、炎症と疼痛をもたらすだけではなく、胃内膜などの再生に関わるなど、必要な役割がある
痛みがあるから骨折の人は無理して動かさなくなるというメリットもある
★NSAIDsは早期骨折治癒を阻害:
The Effect of Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drug Administration on Acute Phase Fracture-Healing : A Review.JBJS 2012;94:815-23
★整形外科は鉄欠乏が多い!
鉄はコラーゲンの材料!

猪越英明先生◎東京若手漢方医会◎
June 12, 2018
『血虚(鉄欠乏)のための生薬と食事』
猪越英明先生
● 身体を支える物質「気・血」とは
・気:エネルギー ⇒ キーワード:動かす、バリア、代謝
・血:ほぼ「血液」に相当 ⇒ キーワード:栄養、潤い、精神安定
● 「血」が足りないと
めまい、ふらつき、生理不順、乾燥肌、髪がパサつく、不眠、不安感などの症状が現れる
おすすめ食材は:レバー、烏骨鶏、赤身魚(血合い)、牡蠣、なまこ、小松菜、ほうれん草、トマト、ニンジン、黒豆、小豆、プルーン、ブルーベリー、イチゴ、ざくろ、クコ、桃、ナツメ、ぶどうなど
● 血虚となる3つの背景
①「脾気虚」:胃腸が弱い
疲れやすい、風邪をひきやすい、食欲不振、軟便気味など
⇒おすすめ食材:山いも、うなぎ、豆類、卵、蜂蜜、棗など
②「肝気鬱結(かんきうっけつ)」:ストレス
イライラ、怒りっぽい、落ち込み、情緒不安、PMS(月経前症候群)、不眠、目が疲れやすい・充血しやすいなど
⇒おすすめ食材:お酢(黒酢)、柑橘類、緑黄色野菜、セロリ・春菊など香り野菜、あさり・しじみなど
③腎虚:加齢
夜間頻尿、耳鳴り、足腰倦怠感、生理不順など
⇒おすすめ食材:色の黒いもの(海藻類、きくらげ)、ネバネバ・ヌルヌルするもの、豆類(黒豆、納豆、豆乳)、魚介類など

大坪天平先生◎日本栄養精神医学研究会(第13回)◎
June 02, 2018
『女性特有のうつ〜性ホルモンと亜鉛〜』
大坪天平先生
●性ホルモンとセロトニン
・PMDD患者で月経周期最後の10日間の血中セロトニン濃度低下(Rapkin AJ,et al,1987)
・セロトニン前駆物質トリプトファン枯渇でPMDD症状悪化(トリプトファンで症状軽減)
(Menkers DB, et al, 1994)
●エストロゲン
・MAO-Aを阻害?ー 片頭痛の原因?-月経周期の影響?
・排卵後エストロゲンの減少→セロトニンの減少→片頭痛
●プロゲステロン・Allopregnanolone(プロゲステロンの代謝産物)
・恒常的な時期はうつ、不安症状が起きにくく、急減するときに症状悪化
● ホルモン療法―エストロゲンは脳に様々な影響を及ぼす
1)コリン作動系に対する作用
2)海馬に対する作用
3)神経細胞の損傷軽減と修復促進作用
4)抗酸化作用があり神経細胞の老化を防止
5)脳内の糖輸送と糖代謝を促進
6)ヒト大脳皮質ミクログリアによるβアミロイドの取り込みを促進
7)HRT(ホルモン補充療法)は閉経後女性の記憶や認知機能を改善
8)HRTは閉経後女性の脳血流量を増加
9) HRTによる脳血流増加と同時に記憶も改善
10)HRTを施行した年数が長いほどコリン作動性神経末端は維持
11)HRTは老人斑の主成分であるβアミロイドの沈着を促進するアポリポ蛋白E(ApoE)血中濃度を低下
12)HRTはアミロイド沈着を増加させる高LH血症を抑制
(大藏健義:女性ホルモンと脳機能, 2006.)

廣瀬哲也先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年5月)◎
May 12, 2018
『がんに負けないカラダづくり~リレー・フォー・ライフを通じて~』
廣瀬哲也先生
ひろせクリニック 院長
●リレー・フォー・ライフとは?
・「それは助け合おうというきっかけで始まりました」
・がん患者さんとご家族を支援し、全ての市民が、がんの正しい知識を手に入れ、がんに負けない社会を作ることを応援する、日本対がん協会主催の事業
●リレー・フォー・ライフ・ジャパン川越での取り組み
①学ぶ:会場でのセミナー
②支える:がんサロンの運営
③発信する: 市民アンケート
●日本人の死因の第1位はがん、約50%の人はがんになり約30%の人はがんで亡くなる
・男性:肺・胃 ・大腸・肝臓・膵臓
・女性:大腸・肺・胃・膵臓・乳房
●遺伝子の異常が細胞のがん化を引き起こす
・米国の研究では、禁煙・食事・運動といった「生活習慣」が、がん予防に重要!
・病気になる前に予防しましょう!
●今日からできるがん予防
①がん検診を受けましょう、家族や知人にも検診の受診を勧めましょう
②C型肝炎、ピロリ菌の感染を調べ、感染していれば治療しましょう
③自分がタバコを吸っていれば禁煙しましょう、家族に吸っている人がいれば禁煙を勧めましょう
④バランスのとれた食生活を心がけましょう。体に良い野菜を十分にとり、塩分・赤身の肉・アルコールの摂りすぎに注意しましょう
⑤適切な運動をしましょう
⑥ストレスを溜めないようにしましょう
⑦がんになった身近な人を支えましょう

国光美佳先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年5月)◎
May 12, 2018
『現代食はミネラル不足!?~食の見直しで変わる子どもたち~』
国光美佳先生
子どもの心と健康を守る会 代表
一般社団法人国際食学協会 理事 (食学ミネラルアドバイザー講座)
●ミネラルの重要なはたらき
・体内の重要な生理機能をつかさどり、骨や歯の形成や、神経の興奮の抑制、細胞の正常な活動のバックアップ、筋肉の収縮、血管壁の強化や皮膚の健康維持、基礎代謝の促進抗酸化作用など、さまざまなはたらきをしている
・酵素のはたらきを活性化させる役割もあり、体の調子を整えるホルモンや、神経伝達物質を作る酵素の働きも助けるため、脳のはたらきや精神面へも大きく影響する
●ミネラル不足で起こる症状
・マグネシウム:神経過敏、うつ病、神経・精神障害、心臓血管障害、動悸、不整脈、循環器障害
・鉄:疲れやすく、忘れっぽくなる、頭痛、動悸、貧血、食欲不振、爪変形、乳児の発育遅れ
・亜鉛:味覚障害、皮膚障害、免疫力の低下、成長発育障害、 食欲不振、貧血、皮膚炎、性機能低下
など
●ミネラル不足を起こす現代食の三大欠陥
① 水煮食品の増加:外食の原材料は、たいてい水煮・冷凍・中国産
② 食品添加物「リン酸塩」を使う加工食品の増加:食品添加物のリン酸塩は、ミネラルを排出
③ 精製食品、精製油脂の使用が増加:栄養成分は「不純物」として除去
●現代食のミネラル不足への対処法は?
① 主食の見直し:白米→雑穀、分つき米、玄米
② 「だし」のフル活用!(煮干し、あご(飛魚)、昆布など天然だしを使う)
③ 非精製の良質な油を使う
④ ミネラルを含む食材を(小魚や貝類、海藻類、たね類、木の実、
※調味料(塩、砂糖、味噌、醤油など)もミネラルを含むものへ

久野淳先生◎埼玉メンタルヘルス交流会(2018年4月)◎
April 07, 2018
『あなたが食べているものは本当に安全ですか?』
瀧川歯科 副院長・食事療法&栄養療法研究家
●パーム油には、脱臭精製工程で、発がん性&遺伝毒性&腎毒性のある物質ができている可能性がある
・パーム油は、パンやお菓子、インスタント麺などの食用に多く使われており、『植物油脂』『ショートニング』と表示されている
・『粉ミルク』の調整脂肪、調整食用油脂の中で含有量が最も多いのがパーム油
・パーム油は『アブラヤシ』の実から採れる油。ココナッツのココヤシとは違う種類
・安価で固めても溶かしても使える万能な油で、食用だけではなく、『ヤシの実洗剤』などの洗剤や化粧品にも使われている
・脱臭精製工程でできるのは、グリシドール脂肪酸エステルや3-MCPDなどの不純物
・EUではパーム油に含まれる発がん物質の1日あたりの摂取許容量が定められているが、日本では基準値の設定はなし(名古屋生活クラブHP)
●食材&食品の選び方
・遺伝子組換え食品、食品添加物の入ったものをなるべく避ける
・旬のものを選ぶ
・ω3系脂肪酸(DHA,EPA,α-リノレン酸)を多く含む食材を積極的に摂る
・ω6系脂肪酸(リノール酸)多く含む食材を控える
・魚や貝は表示を参考になるべく天然のものを選ぶ
・小魚に関しては、食べられる部位は頭から尻尾まで全てを食べる
・肉や卵は抗生物質やワクチン、消毒薬をなるべく使わず、可能な限り牧草(青草など)や遺伝子組み換えでない飼料を食べさせて、できればストレスが少ない環境(放牧&平飼い等)にて育てられたものを選ぶのが理想的

橋口智親先生◎食事栄養療法倶楽部in埼玉(2018年4月)◎
April 07, 2018
『ストレスマネージメントと植物療法〜薬食同源でメンタルケア〜』
橋口智親先生
ホリスティックハーブ研究所 代表取締役
クラウターハウス 代表取締役 (メディカルハーブスクール)
●メディカルハーブ(薬用植物)とは、科学的に裏付けされた機能性があるハーブメディカルハーブ
①抗酸化作用
②生体防御作用
③抗菌・抗ウイルス作用
④薬理作用(消炎作用、鎮痛作用、鎮痙作用など)
⑤栄養素の補給(必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)
●栄養療法とハーブ
① ビタミンB6:マテ茶(飲むサラダ)
② 葉酸:ネトル
③ 鉄:ネトル、マテ
④ ビタミンC:ローズヒップ、ネトル
⑤ ナイアシン:マルベリー(桑の葉)
●植物療法&栄養療法でメンタルケアを
◎ 腸管免疫の向上:腸内フローラとセロトニンの関係
・腸内細菌がセロトニン合成に必要なビタミンを合成
・腸内フローラ改善ハーブ(マルベリーなど)と食物繊維、プレバイオテクス
◎脳腸相関
・軽度の緊張や不安でIBO/IBSが起こる(セロトニンが減少する)
・炎症体質改善ハーブ(亜麻仁油、ペパーミントなど)とEPA/DHA