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執筆者の写真奥平智之

胃酸分泌にも、ミトコンドリアのATP (エネルギー)が必要:胃酸が少ないと、腸の殺菌作用や栄養素の吸収が低下

更新日:2021年5月13日



胃酸の分泌の主役は、壁細胞にあるH+ / K+ ATPase(プロトンポンプ)であり、胃の内腔への水素イオンの輸送を担っています。


胃酸(HCl)の分泌にも、ミトコンドリアにおけるATP(エネルギー)産生が大切です。

鎌田武信, ら(1977). 急性胃病変の成因に関する検討 1. 胃粘膜エネルギー代謝の特異性. 日本消化器病学会雑誌, 74(3), 321-328.



胃酸が少ないと

①殺菌作用⇩:SIBO など

②ミネラルなどの栄養素の吸収⇩

      (例:骨粗鬆症リスク↑)


●まとめ

ミトコンドリアによるエネルギー産生がうまくいっていないと、低胃酸につながる可能性があります。



※参考

●長期の制酸剤(PPI)使用のリスク:

PPI誘発性高ガストリン血症によるリバウンド(酸分泌過多)現象

・・・・PPIでpHが上昇することで、幽門洞G細胞へのガストリン放出の負のフィードバックが阻害され、高ガストリン血症を引き起こします。その結果、胃酸分泌がより亢進しやすくなります。

さらに、長期的なガストリンの上昇は、ECL細胞の過形成を誘発し、胃のポリープ形成を引き起こし、胃の発がんリスクになる可能性あり。

PPIは、リバウンドが起きないように、ゆっくり減らした方がよい。


Helgadottir, H., et al (2019). Problems associated with deprescribing of proton pump inhibitors. International journal of molecular sciences, 20(21), 5469.


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