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  • 執筆者の写真奥平智之

鉄欠乏女子(テケジョ):抗酸化・抗炎症対策も大切:ミトコンドリアは、活性酸素・炎症・免疫の調整役:過剰な酸化・炎症によるミトコンドリアの機能低下はないか?

更新日:2021年5月5日



ミトコンドリアは、エネルギーを生成したり、細胞増殖に関係していますが、細胞死にも関与しています。活性酸素・炎症・免疫の調整役と言えます。


《ミトコンドリアが生み出す活性酸素》

ヒトが肺から呼吸で取り込んだ酸素の90%以上はミトコンドリアで使われますが、1%程度は活性酸素を生み出します。

ミトコンドリアは細胞の活性酸素の主要な供給源であるため、酸化ストレスに深く関与しています。(Marchi S., et al. Mitochondria-ros crosstalk in the control of cell death and aging. J. Signal Transduct. 2012;2012:329635. )そのため、過剰な活性酸素は、細胞を死に導きます。

酸化ストレスによって誘発される炎症は、組織損傷を引き起こし、慢性炎症を引き起こします。

そのため、ミトコンドリアを活性酸素や炎症から守るためには、グルタチオンレダクターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ペルオキシレドキシン、チオレドキシンなどの抗酸化酵素がとても重要になってきます。

活性酸素が多いと、ミトコンドリアが分断化されるなど、ミトコンドリアの機能が低下し、エネルギー産生は低下してしまいます。

例えば、老化などにより、抗酸化酵素の活性が低下してくると、ミトコンドリアでのエネルギー産生は低下して、代謝の低下につながります。



しかし、一方で、免疫においては、活性酸素により菌を殺すなど、活性酸素が大切な役割を果たす場合もあります。さらに、NK(ナチュラルキラー)細胞ががん細胞をやっつけるときにも必要です。

必要な時には、局所的に微細な活性酸素や炎症は必要ということです。


《ミトコンドリアによる炎症の調整:自然免疫の要》

ミトコンドリアの機能障害は、慢性炎症による病気に関連しています。これには、老化やアルツハイマー型認知症などの神経炎症、がん、リウマチなども含まれます。


最近では、ミトコンドリアは、自然免疫と炎症反応を調節する中心的な「ハブ」と見なされています。つまり、ミトコンドリアは、炎症反応にも関与して、免疫細胞の機能を調整しているのです。


炎症は、からだに必要なものであり、時に害にもなります。

炎症は、さまざまな分泌メディエーターが、感染などからの防御と組織の修復を調整し、さらなる細胞または組織の損傷を回避しています。

また、炎症は、組織の修復と再生を刺激して、恒常性と生物の健康を回復させます。

それにもかかわらず、炎症が続いてしまうと、がん形成など、さまざまな病気につながります。


鉄欠乏女子(テケジョ)においては、鉄が足りなくて、ミトコンドリアでのエネルギー産生がうまくいっていない人が多いと思いますが、同時に、ミトコンドリアを活性化するには、抗炎症・抗酸化対策も大切です。


●まとめ

ミトコンドリアの機能の維持には、抗酸化・抗炎症対策が大切。

しかし、局所的な微細な炎症や活性酸素は、感染防御など生体防御にも使われています。

ミトコンドリアは、これらの調整役と言えます。


💛抗酸化には、ビタミンC、ビタミンE、リポ酸、亜鉛、セレン、CoQ10、メラトニンが大切。


→ エネルギー産生には、酸化ストレスに負けないように、抗酸化がきちんと働くようにしたい。



Missiroli, S.,et al (2020). The role of mitochondria in inflammation: from cancer to neurodegenerative disorders. Journal of clinical medicine, 9(3), 740.



日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成


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