• 奥平智之

新型コロナウイルス対策における亜鉛の役割~亜鉛に期待される抗ウイルス・免疫増強効果~


亜鉛は、コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の強度を低下させ、おそらく抗ウイルス作用によって気道感染を軽減するために消費される可能性のある微量栄養素の1つです(Eby 1997; Hemila 2015; Read et al. 2019)。


亜鉛は、子羊、牛肉、鶏肉、ロブスターなどの肉や、牡蠣などのシーフードに豊富です。

亜鉛の吸収を良くするために、酸味のあるもの、野菜と一緒に食べるとよいでしょう(Kaur et al.2014)。


黒米、黒ゴマ、大豆食品、キノコ、セロリ、マメ科植物、レンズ豆、ナッツ、ヒマワリの種、アーモンドも亜鉛の優れた供給源です(Uwitonze et al.2020)。


亜鉛が不足すると、B細胞の発達が障害され(Shankar 1998)、IgG産生が低くなり(DePasquale-Jardieu 1984)、感染率の増加と死亡率の上昇につながる可能性があります(Fraker 1982)。


コロナウイルス(SARS-CoV)の複製は、亜鉛によって阻害されることが示されています(te Velthuis et al.2010)。

亜鉛イオンと亜鉛イオノフォアであるピリチオンの組み合わせを使用した調査では、亜鉛の細胞内濃度を上げることにより、コロナウイルスの複製を大幅に減らすことができることが示されました。


※イオノフォア(ionophore)は、生体膜において、特定のイオンの透過性を増加させる能力を持つ脂溶性分子の総称であり、主に細菌によって生産される抗生物質。



コロナウイルスのこの阻害は、コア複製酵素であるRNA依存性RNAポリメラーゼの亜鉛を介した不活性化によって達成されました(te Velthuis et al.2010)。


亜鉛欠乏を解消することで、「ウイルスの複製を減らす」もしくは「ウイルスの粘膜への付着を減らす」ことで、生体へのウイルスの負荷を減らすことが期待できます。


また、亜鉛による「免疫反応の改善」が「生体の抵抗力の強化」につながります。


このようにして、亜鉛欠乏を解消することでウイルスの感染を減らすことが期待できます。


加工食品の摂取が多い方、偏食の方は、亜鉛欠乏が多いです。


よくお酒を飲む方、ストレスが多い方、慢性炎症がある方、高齢者などは、亜鉛の需要が増えて、相対的に欠乏状態になっている人は少なくありません。


アルコールの分解にも亜鉛が必要です。


クスリをいろいろ飲んでいる人も「薬剤性の亜鉛欠乏」の可能性があります。いろんなクスリが亜鉛とくっついて吸収を妨げたり、尿から排泄されてしまう可能性があります。(キレート作用と言います)


爪に白い点々があったり、味覚に違和感がある方は、亜鉛欠乏の人が多いですが、これらの症状がない「隠れ亜鉛欠乏」の方はたくさんいます。


亜鉛欠乏疑いの方は、一度、血液検査をしてみるよ良いでしょう。また、症状があって亜鉛サプリを医師と相談せずに自己流で飲んでいる人は、血中濃度が適切か確認した方がいいかもしれません。


一部の研究では、ウイルス感染を減らすために最大150 mg /日の亜鉛補給が必要であると報告されています(Acevedo-Murillo et al.2019)が、ミネラルはバランスが大切です。



量としては、一般的には、1日あたり概ね25〜40 mgの亜鉛の摂取が望ましいでしょう。




Razzaque, M. (2020). COVID-19 Pandemic: Can Maintaining Optimal Zinc Balance Enhance Host Resistance?.


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