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執筆者の写真奥平智之

あなたも「隠れ睡眠時無呼吸」? 睡眠時無呼吸による「フェリチン」上昇:低酸素誘導因子(HIF)による鉄吸収の増加

更新日:2021年2月16日


●睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome; SAS)って聞いたことありますか?

下記のような特徴があります。

低酸素になり、低酸素誘導因子(HIF)により、エリスロポエチンが亢進して赤血球が増加します。さらに、低酸素誘導因子(HIF)によりヘプシジンも抑制されるため、腸からの鉄の吸収が高まります。

その結果、貯蔵鉄であるフェリチンが増えます。


さらに、睡眠時無呼吸症候群では、炎症を伴うことも少なくないため、炎症によってもフェリチンが上昇する可能性があります。


●あたなも、「隠れ睡眠時無呼吸」かも‥‥

<症状チェック!>

①いびき・中途覚醒

②日中傾眠・起床時の頭痛

③集中力低下・抑うつ

④夜間頻尿

⑤こむら返り

⑥月経不順・インポテンツ

⑥低身長

<徴候>

①肥満

②あごが小さい

③歯列異常

④不整脈

⑤高血圧

⑥低酸素血症➡低酸素誘導因子(HIF)の誘導↑➡赤血球増多

⑦発育不全

また、低酸素で、はげやすくなるかも・・・

Baik, I., Lee, S., Thomas, R. J., & Shin, C. (2019). Obstructive sleep apnea, low transferrin saturation levels, and male‐pattern baldness. International Journal of Dermatology, 58(1), 67-74.

<リスク因子>

肥満、男性、40歳以上、首回りが大きい、小さい顎、家族が睡眠時無呼吸、アレルギー、咽頭扁桃肥大(アデノイド)など

<放置すると・・・>

治療しない場合、心臓発作、脳梗塞、糖尿病、心不全、不整脈、肥満、交通事故などのリスクが増加

★低酸素誘導因子とは?

低酸素誘導因子(ていさんそゆうどういんし:Hypoxia Inducible Factor:HIF)とは細胞に対する酸素供給が不足状態に陥った際に誘導されてくるタンパク質です。

低酸素もしくは、鉄不足、もしくはミトコンドリアでの活性酸素増加、により、HIF(低酸素誘導因子)は、エリスロポエチンを増やし、赤血球生成をサポートします。

さらに、赤血球合成を維持するために、鉄レベルを調節して、鉄の全身レベルも増加させようとします。

低酸素症は、ヘプシジン(鉄代謝調節ホルモン)の抑制因子であり、腸からの鉄の吸収を促進します。

HIF2αは鉄の吸収を制御する他の遺伝子を特異的にアップレギュレートします。

そのため、HIF2αの阻害剤は赤血球増加症を治療するために開発される可能性があります。

Shah, Y. M., & Xie, L. (2014). Hypoxia-inducible factors link iron homeostasis and erythropoiesis. Gastroenterology, 146(3), 630-642.

<睡眠時無呼吸の軽減のための生活習慣>

禁酒、減量、禁煙、睡眠姿勢 など

Le Tallec-Estève, N., Rousseau, C., Desrues, B., Loréal, O., & Thibault, R. (2020). Transferrin saturation is independently associated with the severity of obstructive sleep apnea syndrome and hypoxia among obese subjects. Clinical Nutrition.


日本栄養精神医学研究会 奥平智之 資料




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