クローブが、新型コロナウイルスCOVID-19を抑制するエビデンスはありません。
しかし、コロナ対策におけるクローブの潜在的なメリットとして、4つ挙げられます。
《クローブに含まれるものは?》
クローブは、古来より、漢方薬、アーユルヴェーダ、アロマテラピーなどで広く使用されています。
チョウジ精油に含まれるのは、オイゲノール、オイゲニルアセテート、β -カリオフィレン、セスキテルペン。そして、クレートゴリン酸、バニリン、ガロタンニン酸、サリチル酸メチル、ユージニン、ラムネチン、ケンペロール、ユージニチン、オレアノール酸、メチルアミルケトン、サリチル酸メチル、α-およびβ-フムレン、ベンズアルデヒド、カビコール、およびβ-イランゲンが少量含まれます。
特に、オイゲノールとサリチル酸メチルやメチルアミルケトンなどの微量成分がクローブの特徴的な心地よい香りの原因です。
また、クローブには、βカロテン、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンK、リボフラビン、ビタミンAを含んでいます。
《許容量》
料理など食事として摂取する場合は、心配ありません。しかし、サプリやオイルの場合は過剰摂取に気を付ける必要があります。
WHOは、人間のクローブオイルの許容可能な1日あたりの摂取量を2.5 mg/㎏と定められています。
《呼吸器疾患の薬草療法としてのクローブ》
伝統医学では、クローブを呼吸器系にも使用されてきました。
例えば、ホットクローブティーから放出されるアロマを吸い込むことで、咳、風邪、喘息、気管支炎、副鼻腔炎などの呼吸器疾患に 使われてきました。
さらに、アジアでは喉の痛みや咽頭の炎症を治療するためにクローブを噛むのが通例です。
熱処理後にクローブを噛むと、激しい咳が軽減されると報告されています。
クローブオイルは、風邪、気管支炎、咳、喘息、上気道疾患などの呼吸器疾患を治療するための去痰薬として機能します。
蜂蜜との混合物では、慢性の咳の場合に役立ち、息切れの場合に特に有用であると言われています。
《クローブの免疫賦活作用》
クローブ精油で処理されたシクロホスファミド免疫抑制マウスでは、体液性免疫応答と細胞性免疫応答の両方の用量依存的な回復が観察されました。
《クローブの抗炎症作用》
関節炎やリウマチなどの炎症性疾患を治療するためにアロマテラピーでよく使用されるクローブエッセンシャルオイルは、0.05および0.20 mL / kgの用量で動物モデルに抗炎症効果があります。この投与量では、クローブオイルの抗炎症効果は、それぞれ0.025と0.1、0.05と0.2 mL / kgの用量で投与されたインドメタシンなどの抗炎症薬の効果と同じです。
《クローブの抗血栓作用》
クローブは、血小板活性化因子、アラキドン酸、およびコラーゲンによって誘発される血小板凝集を阻害することが示されています。
クローブに含まれるオイゲノールは血小板阻害剤としての活性を示し、血栓を予防します。
オイゲノールは、アラキドン酸によって誘発される血小板凝集、ならびにプロスタグランジン生合成およびトロンボキサンB2の形成を阻害することがinvitroで示されました。
《クローブの抗ウイルス作用》
また、オイゲノールは、A型インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を示し、A型インフルエンザウイルスの複製を阻害することができました(Dai, J.-P.2013)。さらに、invitroでエボラウイルスの阻害剤としても活性があることがわかりました(Lane, T.2019)。
クローブは液性免疫を大幅に強化します(Halder, S.,2011)。液性免疫とは、B細胞と抗体が中心となる免疫反応です。B細胞が、大量の抗体を作って、抗体は体液中を循環して全身に広がります。抗体が血清中に溶解して存在するためこのように呼ばれています。抗体は病原菌にくっついて、マクロファージの貪食を助けます。また、抗体には、ウイルスや毒素にくっつくことで感染力や毒性を失わせる作用を持つものがあります。
クローブには、抗酸化物質が豊富に含まれており、免疫系が酸化的損傷や活性酸素と戦うのを助けてくれます。また、感染を緩和し、体内の病原菌などと戦うのを助ける力を持っています。
クローブエッセンシャルオイルは免疫抑制された入院患者の感染に対して顕著な抗菌効果を示し(Chaieb, K.2007)、COVID-19患者の二次細菌感染を予防するためのその有用性を示唆しています(Bahramsoltani, R.2020)。
クローブは、シナモン、ショウガ、黒コショウ、ニンニク、ニーム、バジルなどの他の植物とともに、調査中の地域で現在のCOVID-19パンデミック中に最も頻繁に使用されるスパイスおよびハーブの1つとして言及されています(Singh, N.A.;2021)。
Vicidomini, C., Roviello, V., & Roviello, G. N. (2021). Molecular Basis of the Therapeutical Potential of Clove (Syzygium aromaticum L.) and Clues to Its Anti-COVID-19 Utility. Molecules, 26(7), 1880.
●まとめ
新型コロナ対策は、医療経済的な観点から、食事や栄養、ハーブなどの研究も進められています。
日本栄養精神医学研究会 奥平智之
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