【どうなる?細胞内の鉄】
図は細胞内の鉄ホメオスタシスを示したものです。
フェリチンには、「酸化ストレスからの保護の役割」があります。
★鉄による活性酸素種は、DNAとタンパク質に直接損傷を与えます。
・フェリチンが持つ「フェロキシダーゼ活性」
⇒ 二価鉄(Fe2+)を三価鉄(Fe3+)に変換する酵素活性。
三価鉄はそこで準安定状態に保たれます。
★血清中の可溶性『トランスフェリン受容体』(TfR)の量を測定することは、炎症性貧血との鑑別の場合に有用です。
この受容体は、細胞内の鉄不足に応答してトランスフェリン受容体がアップレギュレートされるという事実を反映して、鉄分が豊富な造血細胞によって排出されます。
★炎症性の貧血は、初めは正球性の貧血ですが、経過とともに小球性貧血のパターンをとるようになります。つまり、MCVの値が小さくなっていきます。
★脳においては、フェリチンは希突起膠細胞、星状細胞および小膠細胞に発現しますが、ニューロンには発現しません。
ニューロンの鉄は、主に『ニューロメラニン』と結合しています。
ニューロメラニンが遷移金属の結合に細胞保護的役割を果たすかどうか、または鉄がニューロン内で放出された場合に細胞毒性を引き起こすかどうかは不明です。
参照:Mary Ann Knovich et al :Ferritin for the Clinician: Blood Rev.23(3): 95–104. 2009
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