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  • 執筆者の写真奥平智之

ベタインは、統合失調症の回復を潜在的に助ける可能性:栄養精神医学


統合失調症(SCZ)では、脳内のニューロンは全体的な形態学的変化を起こす傾向がありますが、関連する分子メカニズムはほとんどとらえどころのないままです。


SCZのような行動をとるモデルとしてKif3b +/-マウスを使用して、高ベタイン食がニューロンの形態形成と行動に関連する統合失調症の特徴を大幅に軽減できることを発見しました。


KIF3モーターによるコラプシン応答メディエータータンパク質2(CRMP2)の輸送の欠陥によると、Kif3b +/-の発生における葉状仮足のダイナミクスの有意な減少を確認しました。


ベタイン投与は、CRMP2のカルボニル化を大幅に減少させます。


これにより、適切な葉状仮足のダイナミクスと微小管の排除に必要なF-アクチンのバンドリングが強化され、KIF3の欠損が機能的に補われる可能性があります。


KIF3の発現レベルは、SCZ患者の死後の脳のヒト前頭前野でダウンレギュレートされる傾向があるため、このメカニズムは、ベタイン投与によって軽減できると仮定したヒトSCZの病因に部分的に関与している可能性があります。


●ポイント

KIF3の発現は統合失調症患者の脳で減少します

ベタインはKIF3欠損表現型を改善します

KIF3はF-アクチンをバンドルするCRMP2を輸送します

ベタインはその脱カルボニル化によってCRMP2を活性化します


➡ベタインは、KIF3ベースのCRMP2輸送を機能的に補償することにより、統合失調症の回復を潜在的に助ける可能性があります。


Yoshihara, S., et al(2021). Betaine ameliorates schizophrenic traits by functionally compensating for KIF3-based CRMP2 transport. Cell Reports, 35(2), 108971.



日本栄養精神医学研究会 奥平智之


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