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執筆者の写真奥平智之

チトクロームって何?鉄+タンパク質です




【チトクロームって何?鉄+タンパク質です】

 赤血球の中にあるヘモグロビン、筋肉中のミオグロビンは、酸素を運んでくれますが、ともに、ヘム(鉄)とタンパク質でできています。

 これらだけではなく、チトクローム類をはじめとするいくつかの酵素もヘムとタンパク質でできています。チトクロームはシトクローム(cytochrome)と呼ばれることもあります。これらは、「ヘムタンパク質」と呼ばれています。チトクローム類は、細胞内の電子を運んでくれます。つまり、チトクローム類の役割は、細胞内やミトコンドリア内においてエネルギーを効率的に生み出すことです(電子伝達系と言います)。

 そして、鉄の役割は、酸素や電子を運ぶだけではありません。チトクロームP450のような鉄が活性中心にあるタンパク質は、①ステロイドホルモン(コルチゾール、男性ホルモン、女性ホルモンなど)をつくったり、②胆汁酸を作るのに関与しています。

 また、③肝臓において、カラダにとって異物となる様々もの、やクスリやサプリなどの「解毒」をしています。p450あるいはCYP(シップ)と呼ばれることもあります。肝臓に多く、細胞の中では小胞体に多いです。

 さらに、鉄は、精神状態に関係するドーパミンとセロトニン系のような、脳内の神経伝達系でのシグナル調節因子として欠かせないものです。

 臨床では、女性や子どもの潜在的な鉄欠乏を見逃さないことが大切です。

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