• 奥平智之

オキシトシンとダイエット



【オキシトシンとダイエット】


 ドラマや映画で話題の「おっさんずラブ」。彼らは同性ですが、ハグをすることで、お互いに愛情ホルモン「オキシトシン」が分泌されていそうですね。


 皆さんもご存知の通り、オキシトシンは、マッサージ、リフレクソロジーなど人により心地よく触られる行為や、犬などペットをなでる時などに分泌されます。ペットセラピーもいいですね。皮膚接触などでよく分泌され、良好な対人関係が築かれているときに分泌されるホルモンです。


 元来、出産時の子宮収縮(末梢では平滑筋の収縮作用)や母乳分泌(乳腺の筋線維を収縮)を促すホルモンでしたが、人間関係の形成など社会的行動に関与していることがわかっています。


①抗ストレス作用《闘争欲や恐怖心を減少させる》

②食欲を抑えて肥満を改善する作用

があり、「ダイエットホルモン」とも言えます。


 オキシトシンの受容体は、主に、「中枢神経」、子宮、乳腺のほか、腎臓、心臓、胸腺、膵臓、そして、「脂肪組織」にあります。


「愛情ホルモン」オキシトシンの肥満改善効果は、高脂肪食の肥満の人ほど効果が期待できると言われています。


 オキシトシン投与後のマウスの体重減少効果を性別、体重、肥満分布といったメタボに影響するさまざまな因子別に分析し、どのような状況下で体重減少がより効果的にもたらされるのかが検討されました。高脂肪食を与えて太らせたマウスと通常食を与えた太っていないマウス(摂取はともに雄が8週間、雌は12週間)それぞれに、一定量のオキシトシンまたは対照とした生理食塩水を10日間投与し、10日後にCTにより体脂肪率や脂肪分布を測定。性別や体重、肥満分布ごとにオキシトシンによる体重減少効果を調べました。


 その結果、高脂肪食を与えた肥満マウス(体脂肪率は約36%)では、雌雄ともにオキシトシン投与により体重が減少し、その減量率は対照群との間に有意差がみられたほか、肥満傾向であるほど体重減少効果が高まることが分かりました。また、高脂肪食を与えた肥満マウスでは、オキシトシン投与により皮下脂肪だけでなく内臓の脂肪量も雌雄ともに15~20%減少しました。


 一方で、通常食を与えた肥満でないマウス(体脂肪率は約10%)では、こうしたオキシトシンによる体重減少効果は、高脂肪食を与えた肥満マウスと比べて小さかったのです。


 自分流のオキシトシン分泌促進法をみつけてみてはいかがでしょう。


Maejima Y, et al. Sci Rep. 2017 Aug 17.


参考図書:ポール・J・ザック 『経済は「競争」では繁栄しない: 信頼ホルモン「オキシトシン」が解き明かす愛と共感の神経経済学』 ダイヤモンド社、2013年

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