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執筆者の写真奥平智之

コロナとビタミン D

更新日:2023年6月15日


コロナとビタミン D

観察研究では、血清 ビタミンD濃度が低いほど、コロナ感染と重症化のリスクとなることが示されています。


ビタミンDの血中濃度が低いと、コロナに感染した人は、過剰な炎症を引き起こすだけでなく、持病の糖尿病や心血管疾患を悪化させることによって、重症化しやすいです。


ビタミンDは、インスリン感受性や、抗炎症作用を持つアディポネクチンの発現を調節します。

高血糖を呈する患者の血糖コントロールをビタミン D 補給の助けを借りて適正化することは、合併症のリスクを軽減するのに役立つ可能性があります。


現在のエビデンスによると、ビタミン D サプリメントを摂取して ビタミンDの濃度を 30 ng/mL 以上(40 ~ 60 ng/mL程度の方がよい) に維持すると、コロナの感染 と重症化のリスクを軽減できます。


日焼け止め係数が 30 の日焼け止めは、皮膚でビタミン D を作る日光への露出効率を 97% 以上低下させます。


肥満の成人は、体脂肪でビタミンDが貯蔵されるため脂溶性のビタミン D は希釈されてしまいます。そのため、必要量を満たすために 2 ~ 3 倍のビタミン D を必要とします。はじめだけ毎日 10,000 IU 入れて、その後 3,000 ~ 4,000 IU の維持量を推奨します。


ビタミン D 欠乏症を治療するために患者に 1,25(OH) 2 D3 (活性型ビタミンD)を投与することはお勧めしません。

このホルモンの半減期は非常に短い (約 4 時間) だけでなく、腸でのカルシウム吸収が著しく増加し、一過性の高カルシウム尿症や高カルシウム血症を引き起こす可能性があります。動物実験では、活性型ビタミンDの投与が血管の石灰化を引き起こす可能性があることも実証されています。


ビタミン D 欠乏ではミトコンドリア機能障害が引き起こされ、ATP(エネルギー)の産生を減らし、活性酸素の生成を増やします。


約8割の方が不足もしくは欠乏しているので、ビタミンDは適正化しておきましょう。 鉄欠乏女子(テケジョ)の治療にも大切です。




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奥平 智之

日本栄養精神医学研究会 会長

医療法人 山口病院 副院長

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■ 書籍:食べてうつぬけ 鉄欠乏女子 テケジョ 血液栄養解析 うつぬけ食事術

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