アメリカでの多施設コホート研究:亜鉛+イオノフォアの投与により、COVID-19患者の院内死亡率が24%低下しました。
ただし、亜鉛あるいはイオノフォアの単独投与では、死亡率との関連は検出されませんでした。
※硫酸亜鉛(220 mg [50mg亜鉛] を1日1回または2回)+イオノフォアヒドロキシクロロキン
通常の生理学的条件下では、亜鉛の細胞内レベルはメタロチオネインによって低く、おそらく治療量以下のレベルに維持されます。
適切な細胞内亜鉛レベルを達成するには、細胞内亜鉛レベルを増加させる『イオノフォア』の投与が必要です。
イオノフォア・・・・原形質膜に存在する亜鉛結合タンパク質とは無関係に、非脂溶性である亜鉛の細胞内輸送を促進することによって作用する脂溶性化合物
例:ピリチオン、ピロリジンジチオカルバメート、ヒノキチオール、レスベラトロール(赤ワイン)、ケルセチン(玉ねぎ、ケール、赤ワイン、緑茶)、エピガロカテキンガレート(緑茶)などの植物ポリフェノール、クロロキン、ヒドロキシクロロキンなど
これらのイオノフォアは、有用である可能性もあるがCOVID-19患者におけるエビデンスは不十分であり今後の課題です。
入院中のCOVID-19患者の転帰に対する亜鉛の影響を評価した大規模コホート研究です。
亜鉛をイオノフォアと組み合わせて細胞内亜鉛レベルを最大化すると、病院の死亡率が大幅に低下することを示しています。
レムデシビルやIL-6ブロッカーなどの他の治療法と比較して亜鉛のコストが低く、その好ましい副作用プロファイルにより、亜鉛は魅力的な治療選択肢となっています。
Frontera, J. A., et al.(2020). Treatment with Zinc is Associated with Reduced In-Hospital Mortality Among COVID-19 Patients: A Multi-Center Cohort Study. Research square.
上記のように、亜鉛は、ウイルス感染時に、イオノフォアによって増強される直接的な抗ウイルス活性を通じて抗ウイルス作用を示します
亜鉛欠乏は、さまざまなウイルスの感染リスク上昇と相関するとの報告があります
【亜鉛の抗ウイルス作用】
① ウイルスの付着・感染・脱コーティングといった物理的プロセス、およびウイルスプロテアーゼやポリメラーゼ酵素プロセスの阻害によります
② コロナウイルスなどのRNAウイルスに対する亜鉛の抗ウイルス作用は、RNAウイルスを複製する酵素であるRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスの複製を防ぎます
③ 亜鉛は、IFN-αやIFN-rの産生を誘導し、抗ウイルス作用をサポートします
④ 亜鉛は、細胞膜を保護し、安定化することから、ウイルスの細胞への侵入を阻害します
日本栄養精神医学研究会 奥平智之
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