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執筆者の写真奥平智之

理解しよう!フェリチンと鉄

更新日:2019年8月1日



【理解しよう!フェリチンと鉄】

・鉄の貯蔵庫(フェリチン)は、タンパク質でできていて、血液中の鉄の量を調節しています。そして、フェリチンは、鉄を「水溶性」かつ「非毒性」に保ってくれています。 フェリチンはほとんどの組織の細胞の細胞質にあります。そこから血液中にフェリチンが漏れ出ています。漏れ出ているフェリチン濃度は通常、からだ中に貯蔵されている鉄の濃度と相関しているので、血液中のフェリチンで貯蔵鉄を評価できます。 フェリチンは、CRPよりも鋭敏な炎症マーカーでもあるので、低値の場合は、鉄不足の指標になりますが、高値が必ずしも体に鉄が沢山あることを示しているわけではありません。鉄が不足している人も、炎症によって見かけ上、高くなるからです(鉄の偏在)。


・タンパク質(アミノ酸)は鉄の腸からの吸収を助けてくれます。鉄欠乏の人は、タンパク質をしっかりとりましょう。


・腸管を介さない投与方法である、「鉄の静脈注射」は副作用が大きいです。タンパク質とくっついていないフリーの鉄イオンはフェントン反応により有害な活性酸素種(ヒドロキシラジカル)をつくるので、全身の細胞を傷つけてしまいます。鉄の投与は腸管を介して、必要な分だけ体内に取り込むようにしましょう。腸には余分な鉄を一切吸収しない厳格な仕組みが備わっています。

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