• 奥平智之

皮膚で働く抗酸化物質は相互協力



【皮膚に関連する抗酸化物質は相互協力】


 酸化ストレスは、加齢やストレス、紫外線や日光などにより増加します。 体内の抗酸化剤である①グルタチオン、②ビタミンC、③ビタミンEは、相互に協力して、活性酸素を除去したり、還元された抗酸化物質を再生したりしています。


①グルタチオン

 グルタチオンは水溶性で、グルタミン酸、システイン、グリシンといった3つのアミノ酸でできています。他の抗酸化物質と同様に、通常ほとんど還元型で、活性酸素(スーパーオキサイド、過酸化水素など)を捉えると酸化型になります。


 細胞内のグルタチオン濃度が低下すると、薬や有害物質の解毒が不十分となり、副作用や有害作用が出やすくなります。還元酵素(グルタチオンレダクターゼ)が、酸化型グルタチオンにNAD(P)Hの電子を転移して、酸化型グルタチオンが還元型グルタチオンに変換されます。抗酸化剤である還元型グルタチオンを維持するために、ビタミンC、ビタミンEの役割は大きいです。


②ビタミンC

 ビタミンCは、水溶性の抗酸化物質の中で、最も強い抗酸化力を持っており、毛細血管や皮膚など、水分があるところで、抗酸化力を発揮します。


 グルタチオン・ビタミンC・ビタミンEによる相互抗酸化システムは、ビタミンCが集中している「表皮」で特に大切です。ビタミンCは、環境汚染物質や紫外線による酸化を、中和および除去できる強力な「抗酸化剤」です。 ビタミンCは、ビタミンEと共に使用されるとき、皮膚に対する酸化の損傷を劇的に減らすことができます。


③ビタミンE

 ビタミンEは、脂質と共に腸管からリンパ管を経由して、体に吸収されます。ビタミンEは、主に細胞膜のリン脂質二重層内に含まれており、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性の成分を、活性酸素から守ってくれています。ビタミンEは、活性酸素を消失させるために、自らが酸化型ビタミンEとなり、活性酸素による脂質の連鎖的酸化を防いでいます。


 ビタミンEには、天然(d体)と合成(dl体)の2つがあります。天然ビタミンEは、d-α-トコフェロール(d体)、合成ビタミンEは、dl-α-トコフェロール(dl体)、とも呼ばれます。天然ビタミンEは、合成ビタミンEよりも効果が高いです。ビタミンEは、ビタミンCを一緒に摂ると、さらによく吸収されます。ビタミンEは、血管を広げるためにも使用され、血栓のリスクを減らしてくれます。


 皮膚の健康には、これら3つの抗酸化物質をセットで摂ることが、非常に効果的です。


Juliet M. Pullar, et al. 2017

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