食物繊維による【酪酸(らくさん)】の効用
- 奥平智之
- 4月25日
- 読了時間: 3分
こんにちは。ようこそ、「メンタルヘルスは食事から」の世界へ。
今日は、ひとつの”魔法の分子”について話をさせてください。
それは、「酪酸(らくさん)」です。
一見、地味な響きかもしれません。化学の授業で習った記憶も、おそらくない。だけどこの分子こそが、いま世界中の研究者たちの注目を集めている、「腸」と「脳」をつなぐ架け橋なんです。
酪酸は、「短鎖脂肪酸」の一種。
どこからくるのか?
答えは、食物繊維です。
そう、野菜や海藻、豆、雑穀などに含まれるあの「食物繊維」を、腸内細菌たちが発酵・分解して作り出す。これは、腸内で起きている“化学反応”ではありますが、もうひとつの見方をすれば、“発電所”のようなものです。
腸の内壁にある上皮細胞たちは、この酪酸を「エネルギー源」として利用します。
つまり、酪酸がなければ、腸のバリア機能が弱ってしまう。
そして、それだけではありません。
酪酸は、「制御性T細胞(Treg)」の誘導を促し、過剰な免疫反応を抑えてくれる。まるで、暴走しかけた炎症に対して、冷静に水をかけてくれる消防士のような存在です。
また、炎症に関わる「NF-κB」という転写因子の活性も抑えることがわかっています。
つまり——酪酸には、明確な抗炎症作用があるんです。
この抗炎症の働きが、腸だけでなく、脳や全身の免疫バランスを保つカギになっている。
ですが、ここでひとつの問題があります。
現代人の多くは、「食物繊維が足りていない」という事実です。
加熱加工された食品、精製された白いパン、白米、甘いお菓子。これらを中心とした食生活は、腸内細菌に“燃料”を与えない。酪酸も作られず、粘液層は薄くなり、腸の壁にはスキマができてしまう。
その結果、リーキーガット——腸のバリアが壊れ、未消化の抗原や毒素が体内に侵入し、慢性的な炎症が起きやすくなるのです。
慢性疲労、肌荒れ、メンタルの不調、アレルギー、自己免疫疾患…
それらの背後に、腸内環境と酪酸の低下が潜んでいるとしたら?
わたしたちは、もっと“腸に優しい選択”ができるはずです。
朝ごはんに玄米を。
ランチに豆のスープを。
おやつにナッツを。
そして、夜にはキノコたっぷりのお味噌汁を。
それだけで、腸内の発電所は稼働しはじめます。
酪酸が産まれ、炎症は静まり、心も、肌も、免疫も穏やかに整っていく。
これは、単なる栄養の話ではありません。
これは、わたしたちの「生き方」の話です。
腸と脳はつながっている。
そしてその鍵は、小さな食物繊維と、見えない酪酸にあるのです。
さあ、今日の食事に、食物繊維という“ギフト”を加えてみませんか?
#食物繊維 #酪酸 #抗炎症 #リーキーガット #短鎖脂肪酸 #腸内フローラ #Treg細胞 #NFkB #メンタルヘルス #腸活 #食事療法 #栄養療法 #栄養精神医学 #認知症対策は食事から #メンタルヘルスは食事から #食事栄養療法倶楽部 #奥平智之 #日本栄養精神医学研究会
2025
6/15 田植えの会 (どなたでも)埼玉県
4/18, 5/16, 6/13【超簡単!料理WEBミーティング】鉄欠乏女子を救え
5/22【子どものストレス発見法と対処法】栄養と漢方WEB講座
7/10【望診】栄養と漢方WEB(小江戸)見てわかる!
💫上記は、奥平智之ホームページ のスケジュールもしくは、日本栄養精神医学研究会のホームページ のスケジュールからお申し込みください。
💛奥平智之ホームページ dr-okudaira.com に登録されている方は、不定期ですが新しいスライドを受け取ることができます。未開封が続いた方は登録が削除されているので、お手数ですが新しいメールで再登録をお願いします。 奥平智之の公式LINEからも受け取ります
◯奥平智之
X
インスタ
Comments