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「タウがたまる認知症」タウオパチーとは?:非アルツハイマー型認知症・高齢者タウオパチーとは?

執筆者の写真: 奥平智之奥平智之

更新日:2021年8月27日




アミロイドβより、「タウ」の蓄積が問題となる神経原線維変化(NFT:neurofibrillary tangle)を伴う神経変性疾患群です。

「タウ」そのものは、脳の細胞の中で、支柱やレールとなる「微小管」(脳の神経細胞やグリア細胞の基本骨格)という構造の構成成分であり、脳の中で大切な役割を果たしています。


微小管関連タンパク(Microtubule-associated protein; MAP)の一種として発見され、微小管の重合や安定化を調節しています。


タウのリン酸化は細胞骨格構造の維持に重要ですが、活性酸素などにより、タウが異常にリン酸化されて通常と異なる構造になると、不溶化して蓄積します。本来の機能を失い、神経細胞を傷害するようになります。

このようにタウ病変を特徴とする神経変性疾患を「タウオパチー」と言います。


ヒトのタウ・タンパク質遺伝子(MAPT:(Microtubule Associated Protein Tau)は 16 のエクソン領域を有し、エクソン 2、3、10 が選択的スプライシング(一部分を取り除き、残りの部分を結合)され、6種類のアイソフォーム(基本的機能は同じだが、構造の一部が異なるたんぱく質)があります。

微小管結合領域は R1~R4 で表される 4 つの領域に分類され、そのうちエクソン 10 にコードされている R2 の有無で 4R 型もしくは 3R 型のアイソフォームとなります。


タウオパチーには以下のような疾患が含まれます。


3R+4R

①神経原線維変化型老年期認知症(SD-NFT) ※アルツハイマー型認知症(二次的にタウが蓄積したもの)


《4R

②嗜銀顆粒性認知症(AGD)

③進行性核上性麻痺(PSP)

④皮質基底核変性症(CBD)


3R

⑤ピック病(PiD)


⑥17番染色体に連鎖する家族性前頭側頭型認知症パーキンソニズム(FTDP-17frontotemporal dementia and parkinsonism linked to chromosome 17)では、タウ遺伝子の変異により、タウ蛋白が蓄積します。65歳未満で発症することが多い遺伝性の神経変性疾患で、行動異常、性格変化、パーキンソニズムがみられます。


①②は、高齢者タウオパチー:記憶障害はあるが、進行が遅い。アルツハイマー型認知症に似ているが老人斑(アミロイドβの沈着)が目立たない。加齢に伴う生理的な脳の老化は、タウだけ脳に蓄積します。つまり、アミロイドβを標的とした治療は無効です。


これらは、変性性神経疾患ですが、「非アルツハイマー型認知症」と言えます。




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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成

 
 
 

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