ビタミンDが少ないと、前脂肪細胞から脂肪細胞への分化が促進される可能性があります。
ビタミンD欠乏の人は、ビタミンDの抗炎症効果がなくなることが、肥満関連の代謝障害のリスクを高める可能性があります。
そのため、2型糖尿病や心血管疾患などのメタボリックシンドロームにも関係する可能性があります。
さらに、脂肪肝で、肝臓の25-ヒドロキシル化の障害が起きる可能性もあります。
脂肪が多い人は、ビタミンDの血中濃度が低下しやすくなります。
肥満者においてビタミンD欠乏の有病率が高いのは、おそらく肥満の大量の脂肪、血清、肝臓、および筋肉への体積希釈によるものです。
つまり、同じ量のビタミンDサプリを飲んでも、肥満者は、やせている人よりも血中濃度が上昇しにくいということです。
肥満の人のビタミンD欠乏症は骨組織に影響を与えないようですが、他の臓器に影響を与える可能性はあります。
健康的な食事と運動を意識してライフスタイルの改善を目標とすることは、肥満関連の代謝異常とビタミンD欠乏症の両方の改善につながります。
●まとめ
やせている人と太っている人では、血中濃度が変わってくる。
メタボへの影響の研究の結果は一貫性がありませんが、ビタミンD欠乏は、肥満・メタボに影響する可能性があります。
【参考】
ビタミンD欠乏症は肥満の素因となり、ビタミンDの高用量は体重増加の低下に関連しています。
Leblanc E.S.,et al. Hochberg M., Hillier T.A. Associations Between 25-Hydroxyvitamin D and Weight Gain in Elderly Women. J. Women’s Health. 2012;21:1066–1073.
逆に、体重減少は25(OH)D血清濃度を増加させます。
Rock C.L., et al, Sherwood N.E., Thomson C.A. Weight Loss Is Associated with Increased Serum 25-Hydroxyvitamin D in Overweight or Obese Women. Obesity. 2012;20:2296–2301.
ビタミンD補給後の25(OH)D反応は肥満群で30%低いです。ビタミンDサプリメントは体のサイズに合わせて調整する必要があります。
A., et al. 25-Hydroxyvitamin D Response to Graded Vitamin D3Supplementation Among Obese Adults. J. Clin. Endocrinol. Metab. 2013;98:4845–4851.
日本栄養精神医学研究会 奥平智之 資料
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奥平智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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