メンタル不調者は亜鉛が不足している人は多いです。健康な腸には、亜鉛が欠かせません。足りないと免疫力も低下しますし、肌荒れの原因にもなります。亜鉛と言えば、牡蠣、牛肉、卵、納豆、レバーなどですね。
母体の亜鉛欠乏は、新生児の子どもの腸にも影響を与えますので注意する必要があります。腸上皮透過性の増加(リーキーガット)による炎症、および自己抗体の生成を含む免疫系異常を伴う場合もあります。細胞の増殖→分化→死のプロセスには大量の亜鉛依存性酵素が必要なのです。
亜鉛は、腸の粘膜の維持に欠かせません。亜鉛欠乏は、腸粘膜の壊死、潰瘍形成、粘膜アポトーシス、炎症、浮腫、絨毛の構造変化の一因になります。
亜鉛結合マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP-9)の活性は杯細胞の数に影響し、それによってムチンMuc-2の分泌が増加するようです。ただし、亜鉛の大量摂取は、逆に腸を悪化させる可能性があります。血液検査をしながら適正量を摂取することが理想的です。
消化管は重要な神経機能を果たしているため、「第二脳」と呼ばれることもあります。腸の神経やネットワークを経由して、胃腸は脳に影響を与えます。
うつ病や不安障害の有病率を炎症性腸疾患(IBD)の併存疾患として調査すると、クローン病と潰瘍性大腸炎の2種類のIBDは、一般集団と比較してうつ病や不安障害などの精神障害に苦しむ可能性が高くなります。炎症性腸疾患(IBD)と過敏性腸症候群(IBS)の併存疾患を比較すると、以下のような報告があります。
うつ病(IBS:61%; IBD:16%)
全般性不安障害(IBS:54%; IBD:11%)
パニック障害(IBS:61%; IBD:11%)
広場恐怖症(IBS:25%; IBD:25%)
亜鉛欠乏など隠れた栄養の問題をもっている人は多いです。まずは栄養面から腸を整えていきましょう。
参照 Guillermo Vela, et al. Zinc in Gut-Brain Interaction in Autism and Neurological Disorders. Neural Plast. 2015
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