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大人の発達障害と精神疾患の見分け方

更新日:2023年5月10日



【大人の発達障害と精神疾患の見分け方】

大人においてASD、ADHDを診断する際に大切なことは、「発達歴」「経過」。

幼少期から特徴的な症状があり、成人になるまで連続性があること。

他の精神疾患では、発症時期の急な変化を見いだせることが多い。


●大人の自閉症スペクトラム症(ASD)の主な特徵

(1)対人交渉の質的な問題

① 距離感がつかめない・・・親密なつきあいが苦手、 心理的にも物理的にも極端になれなれしい

② 他人への関心が乏しい・・・人と共感しない、同年齢の仲間関係を作れない

③ 二次的に⇒自己評価の低下、 うつ状態


(2)コミュニケーションの質的問題

① 常同的で反復的な言葉の使用、 または独特な言い回し・・・たとえ話や冗談がわからず、字義どおりに受けとってしまう。抑揚なく話す、表情や身振り、手振りを読み取れない

② 二次的に:うつ状態、 極端な対人緊張


(3)イマジネーション障害

① 自分なりの日課や手順があり、変更や変化を嫌がる 想定外のことが起きると思わぬ反応をする

② 目分の世界に没頭することがあり、切り替えか難しい、融通がきかない


(4)感覚過敏、感覚の鈍さ

① 聴覚:ティッシュペーパーの音、 エアコンの音を極端に気にする

② 触覚:服の夕グ、木綿の下着を紙やすりのように感じる

③ 痛覚:痛みを訴えない


●自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動性症(ADHD)と精神疾愚の症状が似ているといわれる場合

★ASDと統合失調症症状

1. 小さい音が気になる(聴覚過敏 )⇒幻聴

2. 対人関係が下手、 ひきこもり  ⇒社会的孤立傾向

3. 独り言が多い         ⇒独語

4. 独特な言い回しや言葉の繰り返し⇒常同行為


★ASDとその他の精神疾患

1. 自分の世界に没頭し切り替えが難しい、決められない⇒強迫症状

2. 極端な偏食 ⇒摂食障害

3. 触覚過敏  ⇒心気症(身体化障害)


★ADHDと躁状態

1. 落ち着かない(ADHD) ⇒躁状態


Hitoshi Miyaoka;Jpn Psychosom Med59:416-421.2019

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© 2019 by Dr. Tomoyuki Okudaira

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