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  • 執筆者の写真奥平智之

健康診断の血液検査で栄養状態を推測《血液栄養解析を活用!ALP・LDH》免疫力に大切な栄養素

更新日:2020年7月1日

ALPやLDHが高い時は、肝臓が悪いのかなと思われると思いますが、これらの値が低いときは、亜鉛やナイアシンなどの栄養が足りないかもしれません。

亜鉛が不足しても、マグネシウムが不足しても、ナイアシンが不足しても「免疫力」は低下します。



ALP(アルカリホスファターゼ)低値 ➡亜鉛不足・マグネシウム不足・甲状腺機能低下

LDH(乳酸脱水素酵素)低値 ➡ナイアシン(ビタミンB3)不足


《ポイント!》

① 共に酵素➡タンパク質代謝が低下している場合も低値になりやすい

② 共に170未満は黄色信号、150未満は赤信号  (JSCC法)

③ 遺伝的に低値の人がいる

④ アルコールが好きな人➡不足しやすい

⑤ 成長期の子供➡ALP1000くらいが正常。数百しかないのは亜鉛不足を疑う

⑥ 亜鉛不足 ➡風邪をひきやすい(免疫力低下)、傷が治りにくい

⑦ ナイアシン不足➡エネルギー産生低下で疲れやすい


※IFCC法(国際基準)では、ALPの基準値は日本の従来の基準値×1/3となります(2020年4月より)。IFCC法では、亜鉛やマグネシウムの不足の参考にはなりません。JSCC法(日本の基準)の場合は低値の場合に参考にできます。不足をみるときには、JSCC法を選ぶ必要があります。



【ALP】(JSCC法)

ALPは基準値が成長期の子どもではかなり高くなります。500~1500くらいと覚えておきましょう。

なので、成長期の子どもで、200とか300という数字は亜鉛不足の可能性があります。亜鉛は、細胞分裂のもと、成長のもととなるミネラルです。

ALPは骨芽細胞にも沢山あるため、その活動が活発化している骨格形成期にあたる乳幼児から思春期にかけては基準値が上昇するのです。

また、胎盤にもあるので、妊娠後期~分娩後数週間の血中濃度は基準値の2~4倍になります。

4つのZn(亜鉛)イオンと2つのMg(マグネシウム)イオンを含み、Znは活性部位AとBを占め、Mgは部位Cを占めるため、完全に活性な天然アルカリホスファターゼは(Zn A Zn B Mg C)2と呼ばれます。

ホモ二量体酵素であり、2つの分子で形成されます。3つの金属イオン、2つのZnと1つのMgが触媒サイトに含まれており、両方のタイプが酵素活性の発生に重要です。

【亜鉛】

私は「解毒ミネラル」と呼んでいます。水銀などを解毒する上の栄養療法的アプローチとして亜鉛は要です。

亜鉛は、細胞分裂など多様な働きがあります。

不足すると、傷が治りにくかったり、膿みやすかったりします。風邪がひきやすいなど免疫力低下の原因になります。

【マグネシウム】

私は「筋弛緩ミネラル」と呼んでいます。筋肉を緩めてくれるミネラルです。

まぶたがピクピクしたり、脚がつったり、頭痛、高血圧のひとは、マグネシウム欠乏かもしれません。

【ナイアシン(ビタミンB3)】

ナイアシンは、エネルギー源となるATP産生に大切なビタミンです。

具体的に言うと、

糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠でエネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素です。


腸内細菌がトリプトファンからのナイアシンを作っていますが、腸内環境が悪い人は、合成がうまくいっていないかもしれません。


食事では魚・肉・きのこなどに含まれています。


ATP産生以外にも、脂肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、細胞分化などに必要です。



日本栄養精神医学研究会 資料より



「血液栄養解析を活用!うつぬけ食事術」奥平智之著


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