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  • 執筆者の写真奥平智之

認知症予防が期待されるカレースパイス:ターメリック(ウコン)に含まれる「クルクミン」の3つの効用「認知症対策は食事から」


カレー粉に使用される古代インドのハーブ「クルクミン」。

ターメリック(=ウコン)に含まれている成分です。


《3大作用は?》

①抗酸化剤

②抗炎症剤

③金属キレート剤


そして認知症予防において、期待される作用は

•活性化ミクログリアの増殖

•アミロイドβ凝集阻害剤:βアミロイドの減少

カドミウムや鉛などの重金属との相互作用による神経毒性の抑制

などが報告されています。


上記の効用により、アルツハイマー型認知症患者の全体的な記憶が改善が期待されています。

クルクミンは親油性であるため、血液脳関門を通過してアミロイドプラークに結合します。

クルクミンは優れたアミロイドβ凝集阻害剤であり、アミロイドβポリマーを不安定化します。


金属は①アミロイドβの凝集と②毒性を誘発する可能性があります。

銅・亜鉛・鉄などの金属がアミロイドβに結合して凝集を引き起こし、活性酸素を生じさせますが、クルクミンは、これらの金属のキレート剤です。

また、クルクミンは、カドミウムや鉛などの重金属との相互作用により、これらの金属によって引き起こされる神経毒性を防ぎます。


アルツハイマー型認知症患者の脳のアミロイドβプラークの周りに活性化ミクログリアと反応性アストロサイトが存在することを明らかになっています。

ミクログリアの慢性的な活性化は、サイトカインと、アミロイドβの病状を悪化させるいくつかの反応性物質を分泌します。


したがって、グリア細胞は、アルツハイマー型認知症の病因における重要な部分と言えます。


クルクミンは親油性があり、すべての細胞膜を通過できるため、細胞内効果を発揮します。その結果、クルクミンはミクログリアに対して抗増殖作用を発揮します。

別の研究では、クルクミンはアミロイドベータの食作用を増加させることが示されています。


上記のグリア細胞に対するクルクミンの効果には、反応性のアストロサイトの増殖の減少、オリゴデンドロサイトの活性と分化の増加も含まれます。


《カレーの研究》

60歳から93歳の1010人のアジア人のカレー消費と認知レベルとの関連を調査した研究があります。

この研究では、カレーを時々(月に1回未満)、頻繁に(月に1回以上)食べた人は、カレーをまったくまたはめったに食べなかった人よりも、認知機能の標準テスト(MMSE)で優れたパフォーマンスを示しました。

Ng TP, et al. Curry consumption and cognitive function in the elderly. Am J Epidemiol. 2006;164:898–906.


《副作用は?》

これまでのところ、明らかな副作用は報告されていません。消化管の不調、胸の圧迫感、皮膚の発疹、皮膚の腫れは高用量で起こると言われています。

クルクミンによるアレルギー性接触皮膚炎の数例が報告されています。

クルクミンの慢性的な使用は肝臓毒性を引き起こす可能性があります。このため、ターメリックは、肝臓病のある人、大量飲酒者、および肝臓で代謝される処方薬を服用している人は避けた方がいいかもしれません。クルクミンは、10g /日までの用量でのヒトの臨床試験で薬理学的に安全であることがわかっています。

1日あたり最大8gのクルクミンを3か月間使用した25人の被験者を対象とした第1相ヒト試験では、クルクミンによる毒性は認められませんでした。


Mishra, S., et al.(2008). The effect of curcumin (turmeric) on Alzheimer's disease: An overview. Annals of Indian Academy of Neurology, 11(1), 13.


●まとめ

ターメリックは、抗酸化・抗炎症剤・金属キレート剤。認知症予防の一助に。

「認知症対策は食事から」


メモ》アーユルヴェーダでは、皮膚や筋肉の痛みや炎症を和らげる鎮痛、抗炎症剤として何世紀にもわたって広く使用されてきました。

また、抗癌作用も有することも証明されています。

Shishodia S, et al. Getting back to roots. Ann NY Acad Sci. 2005;1056:206–17.

Ammon HP, et al. Pharmacology of curcuma longa. Planta Med. 1991;57:1–7.


他にも、認知症の認知に期待されるものには、レスベラトロール、クルクミン、イチョウ、高麗人参、セージ、レモンバームなどがあります。

ターメリックには、鎮痛や抗ガン作用も報告されています。



クルクミンに期待される神経保護保護




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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成

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