- 奥平智之
免疫を調整・腸の炎症を抑える「胆汁酸」:免疫細胞(T細胞)にも胆汁酸受容体がある:鉄欠乏女子(テケジョ)は胆汁酸不足にもご注意

ビタミンDや脂肪の吸収を助ける胆汁酸は、免疫を調整したり、腸の炎症を抑える方向に働きます。
胆汁酸受容体(ファルネソイド受容体)が免疫細胞であるT細胞にもあることがわかっています。
T細胞には、ヘルパーT細胞とか、キラーT細胞とか、制御性T細胞などがあります。
胆汁酸受容体(ファルネソイド受容体)のアゴニスト(刺激剤)は、免疫細胞からのTNFα(炎症性サイトカイン)の分泌を減少(Gadaleta RM, 2011)
・・・炎症性腸疾患(IBD)などの腸の炎症の治療における効果が期待されます
また、胆汁酸受容体(ファルネソイド受容体)のアゴニスト(刺激剤)がないと、実験的に誘発された腸の炎症の重症度を増加させることもわかっています。(Vavassori P, 2009)
このように、
★免疫、腸の抗炎症対策にも、「胆汁酸」は大切な役割を果たしています。
胆汁酸が少ないと、便秘の原因にもなります。
胆汁が出されるのは、食事の摂取から1時間後で、2時間後ぐらいでピークに達します。
コレステロールから胆汁酸をつくる時には、チトクロムP-450が大切。チトクロムP-450(CYP)の活性中心は「鉄」でしたね。
胆汁中の胆汁酸濃度が低下すると、コレステロールが溶けなくなり、胆石ができやすくなります。様々な理由で女性の方が統計的に胆石ができやすいようです。
実は、胆汁酸塩は、鉄の吸収にも大切です。
Sanyal, A. J., Hirsch, J. I., & Moore, E. W. (1994). Evidence that bile salts are important for iron absorption. American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology, 266(2), G318-G323.
コレステロール不足では、胆汁酸の分泌も減ってしまいます。
脂肪を普通に摂取しても、胆汁酸がきちんとあれば、脂肪肝にはなりにくいです。
Zietak, M., & Kozak, L. P. (2016). Bile acids induce uncoupling protein 1-dependent thermogenesis and stimulate energy expenditure at thermoneutrality in mice. American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism, 310(5), E346-E354.
胆汁酸が、胆汁酸受容体(ファルネソイド受容体)に作用して、中性脂肪は抑制されます。
また、胆汁酸がミトコンドリアの細胞膜に結合すると、エネルギーを燃やしてくれる甲状腺ホルモンが増えます。Chiang, J. Y. (2013). Bile acid metabolism and signaling. Comprehensive Physiology, 3(3), 1191-1212.
★鉄欠乏女子(テケジョ)は、胆汁酸不足にもご注意。
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