妊娠中は、鉄は胎児や胎盤の発育、赤血球の生成に使用されるため、鉄の必要性が増加します。
赤血球の数が 20%、血漿量が 50% 増加すると、妊婦のヘモグロビン濃度は生理学的に減少します。
ヘモグロビンはフェリチンが 15 µg /l 未満の場合にのみ低下するため、ヘモグロビンは貯蔵鉄の十分な予測因子ではありません。
フェリチンの低下は初期の鉄欠乏症の最初の兆候であるため、ヘモグロビンの測定はフェリチンの測定によって補足されなければいけません。
注意すべきは、炎症状態ではフェリチンが上昇する可能性があり、患者さんが数字を見て勘違いする原因となる可能性があります。
妊娠 20 週以降は、腸からの鉄の吸収が増加しているにもかかわらず、食事だけでは鉄の必要量の増加に対応できず、鉄の補充がなければ、妊娠末期には 35% が鉄欠乏性貧血になります。
鉄欠乏もあわせると多くの方が 鉄欠乏女子、テケジョの状態です。
しかし、血液検査をしないで、漫然と高用量の鉄剤の服用をしてはいけません。それは、亜鉛とマグネシウムの吸収を低下させるだけでなく、過剰な鉄によって生成されるフリーラジカルにより腸粘膜が損傷されるリスクがあります。
鉄は、定期的に評価をしながら、適正な調整が大切です。
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奥平 智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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