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  • 執筆者の写真奥平智之

脳内の「グルタミン酸(神経毒素)」の濃度は、血液脳関門や脳細胞により低く調節されている

更新日:2023年5月10日


グルタミン酸って聞いたことありますか? グルタミン酸と言えば、「化学調味料」や「酵母エキス」は、うまみ成分(グルタミン酸ナトリウム)が身近なものですね。

食品へのグルタミン酸の添加は、通常量ではBBBを通過しないため、健常者においては無害であると考えられています。

(ただし、BBBが脆弱なケースでは、わかりませんが・・・)


通常、食べ物から脳には直接行くことはありません。しかし、何らかの理由で、脳で増えすぎると、神経細胞死につながります。これは、アルツハイマー型認知症やうつ病などに関与していると言われています。


グルタミン酸が過剰になると、神経毒となってしまうため、脳ではグルタミン酸が増えすぎないシステムが備わっています。


ただし、過剰でない脳内のグルタミン酸は、神経伝達物質として学習や記憶に大切ですし、脳において糖が足りない時の燃料(エネルギー)にもなる大切なものです。



脳の細胞外液において、グルタミン酸の濃度は、血液中と比べて、検出できないほど低い血中濃度に調整されています。

神経細胞・星状細胞・血液脳関門(BBB)によって、脳機能に最適な低い濃度で維持されています。


これは、グルタミン酸が過剰になると、グルタミン酸受容体が過剰に刺激されて、細胞内にカルシウムが流入して、細胞内にカルシウムが増えることで、神経細胞が死んでしまうから(アポトーシス)と考えられています。


つまり、グルタミン酸が過剰になってしまうと、「神経毒素」として作用してしまいます。


BBBは、脳内へのグルタミン酸の進入を制限するだけでなく、積極的にグルタミン酸やアンモニア(NH4⁺)を排出しています。

このように、BBBは、「グルタミン酸とアンモニアの蓄積」を防ぐことにより、神経毒性の発生を防いでいます。


グルタミン酸とは異なり、グルタミンの細胞外液における濃度は、血液中と同じ濃度です。グルタミン酸とは異なり、血液脳関門(BBB)を通過することができます。


グルタミン酸は、BBBを通過しないため脳内で合成されています。グルタミンもその材料になります。グルタミン酸もグルタミンに変換されます。


N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)は、D-アスパラギン酸のアミノ基にさらにメチル基がついたものです。これは、グルタミン酸と比較して数十倍に上る活性を持ちます。

アスパラギン酸と言えば、甘味料のアステルパ―ムなどがそうです。


脳の星状細胞にグルタミン酸を取り込むトランスポーターは、ATPに依存しています。このトランスポーターが細胞外液のグルタミン酸濃度を低く保つのに役立っています。


また、細胞内のカルシウム過剰は細胞死につながりますが、神経細胞からカルシウムを排出したり、小胞体に収納するポンプもATPに依存しています。


虚血などの酸素不足でミトコンドリアのATP産生が低下して、トランスポーターの機能が低下してしまうと、星状細胞内に取り込めなくなり、細胞外液のグルタミン酸が増えてしまいます。その結果、神経細胞死につながります。


脳内のグルタミン酸濃度を低く保つための一つには、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生も重要だと考えられます。脳における低酸素、過剰な酸化ストレスや炎症、低血糖、鉄欠乏・マグネシウム欠乏・ビタミンB群の欠乏は、ATP産生低下につながります。


●まとめ

脳内のグルタミン酸過剰は神経毒。

そのため、脳の細胞外液は、グルタミン酸濃度が低く抑えられています。

BBBや星状細胞は、積極的にグルタミン酸を除去する作業をしてくれています。


心身のストレスを減らしたり、栄養状態を適正化したりして、エネルギー(ATP)をしっかり産生できるカラダにしておこう。


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奥平智之

日本栄養精神医学研究会 会長

医療法人 山口病院 副院長

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■ 書籍:食べてうつぬけ 鉄欠乏女子 テケジョ 血液栄養解析 うつぬけ食事術

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