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執筆者の写真奥平智之

「鉄」の役割は?:鉄欠乏とドーパミン受容体

更新日:2021年8月27日


鉄を含む酵素の役割はは酸素と電子の輸送だけではありません。

たとえばドーパミンとセロトニン系のような、脳内の神経伝達系でのシグナル調節因子として必須の役割をもちます。


鉄欠乏はドーパミンD2の受容体の感度を低下させ、受容体の損失を引き起こします。


鉄欠乏はドーパミン受容体 (D1・D2)を減らします。

また、ドーパミンに対する鉄欠乏の影響は、女性よりも男性でより顕著です。

Erikson, K. M., Jones, B. C., Hess, E. J., Zhang, Q., & Beard, J. L. (2001). Iron deficiency decreases dopamine D1 and D2 receptors in rat brain. Pharmacology biochemistry and behavior, 69(3-4), 409-418.


また、チトクロームP450(鉄を含む酸化還元酵素:CYP(シップ)と呼ばれることもあります)の大切な機能は、

① 肝臓での種々の生体異物の『解毒』

② 『ステロイドホルモン』と『胆汁酸』の合成

です。


すべてのシトクロムP450は約500アミノ酸残基からなり、活性部位にヘムを持ちます。「電子伝達タンパク質」です。


CYP19(アロマターゼ)・・・ステロイド骨格を持つ「エストロゲン合成」に関与します。


鉄欠乏により生体の日内リズムが逆転することも発見されており、睡眠にも影響することがあります。





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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成



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